何だかんだと‥‥ようぉぉぉやく支払いを終えて、待ちくたびれていた娘夫婦の車で会場をあとにしたのは、披露宴終了からもう間もなく3時間という時刻。
恒例おじさんおばさん仲間の二次会場に到着した頃には、みんなできあがってる風だったが、クタクタと辿り着いた我々をもう一度賑やかに迎えてくれた。
それぞれの息子の結婚式をみんな経験してきたから、その息子たちも毎回楽しいビデオメッセージ作って御祝いしてきてくれたから、お互いの気持ちが良くわかっている。何はともあれありがたいことだ。
せめてものお返しにと、ボクはささやかなサプライズ・イベントを用意していた。
ビンゴ大会が好きだ。やたらテンション高くなる。だから今回もビンゴ大会だ。
お坊ちゃん結婚記念特別企画、最高5億円争奪!ハロイン・ビンゴ大会だ。ははっ。
ビンゴ大会のアイテムは買い揃えれば簡単。だけれど、可能な限り手作りでいくことにした。
横断幕は Illustrator で作り、A4用紙6枚にプリントしてつなぎ合わせた。たぶんできるだろうと思って作ってみたんだけど、何年も使っていながら初めてこんな機能を使った。便利なもんだ。
普通のビンゴカードでは小さいから、御礼の言葉も書き添えてこれもA4サイズにする。大きい字はおじさんおばさんにありがたい。これは Pages を使った。Macのワープロソフトホント久しぶり。
いずれもハロイン感たっぷり。かつてはこういうのたくさんやってたことを思い出して懐かしい。
問題は5×5の数字の並びをどうするか。一列10個の数字で設定するくらいだと、20人弱で飽きずに楽しめるだろう。でも適当な数字を埋めるにしてもそこに恣意的なものが働きかねない。抵抗感。やたらこだわる。
というわけで、以前 FileMaker で作ったヤツをベースにして、このためだけにランダムな数字が(きちんと順序よく)出てくるシステムに改造した。満足。あとはチマチマと転記。
番号を選ぶボールの代わりに、うすい百貨店地下1階食品売り場で量り売りのキャンデーを購入。この時期は金太郎飴的ハロイン風なものもあって、最大数の50個、カラフルにごそごそ選んだ。
それに、ダイ8文具売り場で買ってきた小さい丸いシールを貼って番号を書くと、もうボール代わりのそれになる。数個だけ金のシールを使う。ハロイン・デザインのバケツも買って、キャンデーをごっそり入れて、順番に取ってもらって番号を決めるルール。みんなにキャンデーも渡っていくからわくわくする。
紙に穴を開けるのはたいへんだから、ぺんてるの水性サインペンも準備。これを人数分準備するのはもったいないので、あえて半数くらいにする。酔ってるおやじもいるし、お隣さんと助け合いながらできる。笑
そして景品は宝くじ。実はこの時期のオータム・ジャンボがハロイン・ジャンボに名称変更したことで思いついた次第。昭和のおじさんはハロインなんかに踊らせられねぇよとか言ってたくせに、思いっきりハマってるぞおい。
まぁいいまぁいい、結婚記念なんだもん。
で、1位は5枚連番。2枚だけど夫婦でビンゴになったら4枚連番。5億円ゲットの最低条件3枚連番。3枚バラでもシングルヒット賞なんて名前をつけたり。あとは2枚で連番かバラか‥‥などなど、たった数枚の宝くじもみんなで分け合っていくととても楽しい。店のママも差を付けず巻き込もう。
さて、かなり遅れてきた我々を、とにかくまずは乾杯だと、さっきまでぐったりしていた人も、さぁ三次会始めるよ的に生ビールのグラスをぶつけて祝ってくれる。渇いていた喉がやっと潤う。
間髪を入れず軽く御礼と感想を述べて拍手喝采。一度腰を下ろして一杯飲み干したらさっそく横断幕を取り出す‥‥。
えーなになに?
ハロウィン?
ハロインじゃん。笑
つかみはオッケー、くすくす。
はい横断幕誰か貼って。大丈夫、画鋲持ってきたから。ママ、これ貼ってもいいよね(今さらダメとは言わせない)。
めんどくせぇなぁとか言いながら椅子に上がって楽しそうにやってる間に、ビンゴ用紙を取り出してかあちゃんに配らせる。
いつも家内制手工業的なことばかり。今回もキャンデーに番号付けたり、だいたい何分でビンゴに達するか何度か二人で何枚も分担して試してタイミング考えたり。母ちゃんもまた始まったのかという表情で対応する。最近は愛猫さんも何かと手伝ってくれるようになった。そんな涙ぐましい準備あってのこと。
さぁそれでは、ハロイン・ビンゴ大会始めまーす。
あ、結婚記念特別企画ですからね。きっとみなさんにも幸せが舞い込む、あ、うまいこと言うなぁ。
あんた、その前にきちんと説明しないとみんなわかんないじゃん。と母ちゃんからダメ出し。
説明っつったって、このハロイン・バケツにキャンデーが入ってますから、順に取ってもらいまーす。
景品は、紙の裏に書いてあるとおり、1位の人には連番5枚の宝くじを差し上げまーす。当たりますよ。伝説の売り場から買ってきたんですから。
えーどこどこ?
ダイ8だべ?
正解!いいんだって、ここで伝説作るんだから。はい、そのほかにもいろいろありまーす。
ではこちらから。
あ、キャンデーに番号が書いてありますが、いくつか、ゴールド番号がありますので、それ引いた人は、簡単に一言挨拶をお願いしまーす。
えー?あいさつかよぉ。
オレみたく長くしゃべんなくていいから。笑
はい、じゃぁ最初は‥‥いや、逆、逆、はい、16番。はい、16ある人は丸つけてくださいよー。
そうして次の人に次の人にと小さなバケツを差し出していく。
計ったようなタイミングでゴールド番号が出てスピーチタイム。ボクはしばし腰を下ろして耳を傾け、ビールで喉を潤しながらすすめていくのだった。
にぎやか、大盛り上がり。遅れてやってきてほどなくみんな酔いつぶれてしまってはボクらが楽しめないじゃないかということで考えた秘策。大成功。
自分たちにとっては一次会のようなもの。満足するまでマッタリとしゃべって、実はたっぷり食べてきたくせに、〆のラーメンまで食べて、長時間にわたる二次会もお開きになりました。
気がつけば、自分とこ用のジャンボは買い忘れ‥‥。足りなくないように買ったから、6等バラ2枚組が2つ、申し訳なさそうにクリアフォルダに挟まってた。我が家はこれか‥‥ま、残りものには福があるものだから‥‥。