翡翠乃学習

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 セミつながりでここまで来ました。カワセミって川の蝉って意味もあるんでしょうが、そう思って見てみると似てなくもないような。
 微妙なピントというか、自分の腕ではこれが限界っぽい、この日はまぁまぁな写真が撮れました。枝が思いっきり邪魔ですが。羽の様子からこれは親鳥、父ちゃんでしょうかね。

 5日ほど前の写真。七十二候は「鷹乃学習(たか すなわち わざをならう)」でした。今年生まれた鷹もいよいよ大人になるとき。独り立ちできるように獲物を捕ることを教えられる時季ですね。
 もう少し前、正にカワセミのそんな様子を見ることができたんですが、人間みたく何年も何年もはかかりません。せいぜい数日なんでしょうね。親だって生きるか死ぬかですから、飛べるようになった、エサも捕れる、それを確認したら終わりなんでしょう。

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 そのときはごく狭い範囲でお勉強していましたが、数日後にはもう上の堰跡あたりで一人で小魚を狙っている様子を確認できました。
 自分はファインダー越しにカワセミだけ追っているわけですが、子カワセミは魚だけを追って川の中を覗き込む‥‥のではなくて、そっちの方ばかり気にしているんですよ。何だろうと思って自分の目で確かめてみたら、アメリカミンク(たぶん)が迫ってくる‥‥。
 でもカワセミを捕って食べようなんて気はさらさらなくて、単純にこれから川の中へダイビングするだけのこと。子カワセミはそれを珍しそうに眺めていたのでした。たぶん。珍しい光景ですな。
 ただ、アメリカミンクは特定外来生物。毛皮目的でかつて北海道に持ち込まれ、野生化したものが定着・繁殖してる地域があるらしく、ここ福島もそうなんだとか。この川でもずいぶん増えているような気がする‥‥。

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 さて、自分が狙っていたところをそいつらに邪魔されちゃったので、子カワセミはもう少し上に飛んでいきました。低い石の上にちょこんと留まって、さっそく魚を狙っています。
 捕れる捕れないは別に、自分のタイミングで川へチャポンとダイビングしています。何とかその瞬間をカメラに収めようと構えるのですが、オレ的にはぜんぜん収穫無しという現実‥‥。
 子カワセミもなかなかエサを捕れないようで、ほどなく下流へと飛んでいきました。親カワセミのところに向かったのでしょう。

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 鷹に限らず、カワセミに限らず、鳥たちは今が子育ての最盛期です。
 カルガモの親子は隊列を成して川岸を慎重に泳いでいます。人の気配を感じると対岸に遠ざかるのではなく手前側にスーッと寄って身を隠します。なるほどそういうことを教えるんだと自分も教えられる思いです。
 ツバメも飛べるようになりどんどん巣立っていきますね。パッと見どれが親か子かわかりませんが、ひゅんひゅん滑空しながらも、虫の捕り方など高度な技を教わっているのでしょう。

 季節は夏の終わり・晩夏を迎えました。大暑の候、一年で最も暑さの厳しい時季ですが、文字どおりホントもう暑くてイヤになってしまいます。今年こそはエアコンをと思っていましたが、もう少しで秋になるのかと考えると、どうやら今年も乗り切れそうな気がして‥‥。
 冷たいビールで何とか凌いでいるのですが、腹が出る、冷える、痛むの三拍子。なのにそれを繰り返してしまう。この歳になってもぜんぜん学習しないのです‥‥。