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 セミの鳴き声がかなりにぎやかになってきました。夜のうちに羽化するのでその様子を観ることはたいへんですが、こうして3匹も揃って羽化している様子を想像すると、何だかちょっと楽しそうでもあります。
 卵からここまでもう5・6年くらい経ってるわけでしょ。不思議な生態だなぁ。もっとも、ヒトが勝手に自分たちの生態を基準にしてるだけだから、セミにしてみればそれが普通でありまして‥‥。

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 柱だったり葉っぱだったり、高いところまでよく登ってくるもんだと思いますが、ヒトが高いところを目指すのも、何か共通するものがあるのかも知れません。ないか‥‥。
 要するに飛び立ちやすいということでしょうかね。引力で落下こそしますが、できたばかりの羽を広げて滑空し、あとは羽ばたいて羽ばたいて上昇する。
 早朝の林の中、ククッと小さく鳴きながら弱々しく飛び立って近くの木に留まります。急いでカメラを向けるのですが、そこで鳴いてなんかいない。カメラおやじになど目もくれず、あっという間にもう一人前の蝉らしく力強く飛んでいくんですよ。生きる力ってすげぇなぁ。

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 毎年毎年、セミの抜け殻を見つけてはカメラに収め、そうして同じようなことを考えるんですが、アブラゼミやミンミンゼミの暑苦しい鳴き声と、早朝や夕暮れ時に聞こえるヒグラシのもの悲しい鳴き声と、それらが全部語ってくれるような気もします。
 いずれにしてもヒトの勝手な思い込みなんですが‥‥。