平成なごり雪

 前日から降り出していたから、明日は早く起きようと、ボクは早く寝たのだった。大した積もってなければ、それはそれでいいんだから。

 でも、そんな日に限ってアラームのスイッチを入れるのを忘れた。でも普通ならアラームより前に起きるのだけど、そんな日に限って爆睡だった。外が何だか白っぽいような気がしてハッとして飛び起きて‥‥オーマイガッ!
 あぁ‥‥ここに来てまさかの積雪20センチかと‥‥。

 湿った雪、これがもし乾いた雪だったら30センチ40センチ積もったかもなぁ。
 何はともあれ雪かきなんだけれど、この時期だからできれば動かさないで溶けるのを待った方が楽ちん。でも、車に積もったのをはらったりすると、結局やらなくちゃならなくてしまう。
 まだ冬タイヤだからどうってことないけど、交換しちゃった人は休むしかないだろな。ほらほらお隣さんそうだってよ。ちょっとうらやましい。

 例年なら、汗だーだーで腰は壊滅状態。そんな作業が少なくたって2・3度あるのが当たり前。改めてこの冬を振り返ると、雪かきらしい雪かきなどしないで終わった。今回だって、ほどなく溶けるのはわかっているから、雑にやって充分だった。角スコを大きくしたようなポリカーボネートのそれでちょちょっとやったくらいで終わりだもん。そんなの五十余年の人生で初めてのような気がする。
 
 春まだ浅い空に舞う雪が、地面を濡らしてもすぐに乾いてしまう。愛しい人との別れ、落ちては溶ける雪を見ていた。また春が来て‥‥あれは昭和のなごり雪だったなぁ‥‥なんて考えながら雪かきをするおじさん。
 今日のこれは平成最後のなごり雪かぁなんても考えるんだけど、まぁホントに異常気象らしさを見せつけてくれたなぁ。

 滝桜の開花宣言をしたばかり。ちょうど前夜からライトアップが始まったのだけれど、幻想的な光景を見た人も少なかったことだろう。テレビ中継した?
 お隣さんちの枝垂れ桜もご覧のとおり。町も見渡す限り真っ白だったんだけど、桜の木だけはほんのり薄紅色に見えて、それはそれで「いとをかし」だった。

 湿った雪だったから、木の枝についてしまう。その重さででろ〜んと頭を垂れたり、ヘタすると枝が折れてしまったり。実は滝桜が折れてしまったりはしなかっただろうかと心配したのだけど、どうやら無事だったよう。
 でも我が家の庭の木が根こそぎぶっ倒れてしまうという甚大な被害となってしまった。危うくお隣さんちの屋根や壁までいってしまうところだったがギリセーフ。
 さぁこれ困ったぞ‥‥。