はるのおとずれ

 まだまだ寒いこの時期に、暦の上ではもう春が来る‥‥なんて話、実はどうでもよかったんです。せいぜい小さい子どもたち相手に、豆まきというよりはお菓子まきをして、賑やかな夜を過ごせるのはいいなぁ‥‥くらいのもんでした。18年前までは。

 病状は最終ステージくらい、手術以外に方法はないと宣告され、もちろんそれを受ける決断はしているんだけど、ホントに心臓止めて大丈夫なの? ホントにまた動き出すの? そういう不安というか恐怖がね、入院して以降ずーっと付きまとってたんです。
 手術の日、朝から家族や親戚の人たちがたくさん来てくださっていたんですが、もうメガネ外してたからみんなの表情はわかりませんでした。でもいつも賑やかなのに誰もしゃべらないから、あぁこれが最後なのかもしれないなぁって感じたんですね。

 覚悟というよりもう観念して手術室に向かって、意識を取り戻したときはたぶん夕方でした。重苦しい痛みの中で、あぁこれは生き返ったのかもしれないと思ったのですが、数日後に一般病棟に戻ったときにヘンな鬼の夢を見まして、あぁオレにもホントの春がやってきたのかもなぁと思ったんです。鬼の夢?不思議だけどホントの話。
 手術は節分の日でしたが、そうして立春を迎えほどなく落ち着き、食事も摂ることができるようになって、何だかもう一度人生やってみるチャンスをいただいたような気になりました。大げさに書いてるかもしれないけど。
 それ以来、自分はこの節分・立春が人生の節目というか、もう一つの誕生日のような、新しい始まりというか、スタートラインになる日のような気がして、とても大切な時期だと思っているんです。

 残念ながら、だからって何か特別なことをするわけではなくて、普通と何も変わらない1日を過ごすだけ。節分だからおかげさまで恵方巻きなど用意していただくわけですが、恵方を向いて頬ばってモソモソしている間は、やっぱ感慨深いものがあって、いつも以上にしっかり噛み締めたりするのです。
 年寄りみたいですが、また1年 生き長らえることができたわい‥‥なんて正直安堵します。大晦日などもそうですが、節分もそういう意味では同じだしそれ以上だし、うん、やっぱりこの日なんだなぁ。それにしても毎年同じこと書いてるよなぁ‥‥。

 さて、メールマガジンとかでうまいこと乗せられて、季節のお酒を月に2本、セットでお届けしますよという3カ月間の頒布会を始めてしまいました。
 自分好みの酒を飲んだ方が満足感は高いでしょうが、選択肢が多すぎるとめんどうになってくるというのも否めません。自分で選んでおきながら外したらへこむし。しかしお任せで届くそれは、自分が選んだんじゃないからねぇ、責任ないもんねぇと、どこか安心しているところもあります。
 で、1月は「天のめぐみ」と「はるのおとずれ」でした。いい名前ですね。一方は冷やして、一方は燗で、毎月そんな組み合わせで届くようですが、あえてどれも常温でやってみようと思っています。
 ラベルは会津大学の学生さんがデザインしてくれる企画だそうですが、現代風で日本酒の新しいイメージも楽しめそうです。
 すでに「天のつぶ」は空けてしまっていますが(吟醸ではありませんがフレッシュでいい感じでした)、そういうわけでこの日のために取っておいた「はるのおとずれ」を昨夜いただきました。日本酒らしいカッとした強さを感じましたが、食事をしながらだとすーっと入っていきます。偶然とはいえ、いいタイミングでいい酒を届けていただいたものだと感謝しています。

 この頒布会には、最初に会津本郷焼の盃が付いてきます。真っ白‥‥。独特な色をちょっと期待していたんですが。
 酒は百薬の長。飲み過ぎなければ‥‥と思っているんですけどねぇ。毎月届くんだからと、調子乗っちゃって(by ゆりあんレトリィバァ)飲み過ぎないように、せいぜい1合かなと考えています。
 そこで、1合って実際どれくらいなのかと調べましたところ、この盃だとだいたい50〜55cc。蛇の目の猪口なんかもそれくらい。盃3つでやめるよう心がけることにしました。他にビール飲みますけど‥‥。(^o^;

 立春の今日は春を感じさせるような暖かな1日でした。でもまた強い寒気がやってくるんだとか。だから晴れの日は貴重だし、少しでも歩いておかなければならないんだけど、足腰が何ともねぇ‥‥。
 それだけじゃなくて、宿題も気になるところでして‥‥。iMac、バックアップ中も普通に使ってていいんでしょうが、それでなくても時間がかかってるのにそれで一層遅れても何だし、不具合につながってもイヤだから、28時間それだけさせておきました。
 無事完了したので、あとは毎日(毎時間)チマチマやってくれることでしょう。OSアップデート後のアプリ関係アップデートもひととおり終わったようだし、奇しくも職場PCも準備が整ったし、身も心もコンピュータも、新たなスタートのような気分です。ま、焦らずいきます。

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