思ひ出はあおむらさきいろ

 古い写真を探しているうちに、使い切った(であろう)インスタントカメラがゴロゴロ出てきました。どういうわけだか、現像せずにそのままになっていたようです。いったい何年前のものなのかさっぱり見当もつきません。

 劣化やカビ、ちょっと無理っぽい気もするけど、このまま捨ててしまっては悔いが残るだけだし、ダメもと覚悟で町の写真屋さんに持ち込んで現像をお願いし、写っているようならプリントしてもらうってことにしました。
 デジタルな今では考えられないことですが、いったい何が写っているものやら‥‥。とりあえず事実を確かめたいという思いです。

 約5日間仕上がりを待っているうちに、どんどん期待が膨らんじゃって、受け取り当日はすっかりわくわくしちゃって定時退勤。そういやフィルム時代の写真ってこういう気持ちだったよなぁと、仮に色が褪せててもそれはそれ、セピア色の思い出っていいじゃんとかすっかりその気です。
 さぁ帰宅。プリントされた写真をサービスのアルバムポケットに差し込みながら、妙な懐かしさに浸るのでした。でしたが、フィルムの劣化で色が飛んでしまったというか。おまけにピントが合ってないというか。さらにワイド感ばっちりで何を映したのかわからないというか。基本光量不足でどれも暗いというか。そもそも構図もへったくれもないというか。いくつもの敗因全部揃っててものすごく悲しい結末。_| ̄|〇
 そしてそして、思い出色のセピアなんかじゃありません。黄色が飛んでしまったのでしょうか、せっかくの運動会も見事なまでのあおむらさき色です。(悲)

 そうじゃないのもあるにはあるんです。遊園地の写真。これってこのあと迷路で激突するやつかなぁ。小名浜港に帆船が来るっていうんでみんなで観に行ったなぁそういえば。推定20年前。
 20年くらい前だと、たぶんオレもうデジタルカメラ使ってた。QuickTake 150。でも、まだまだ黎明期で決して便利じゃなかったんですよ。画素数は少ないし、記録枚数も少ないし、液晶ディスプレイとかもないからコンピュータにつながないと撮った写真を確認できなかった。電池も食うしすぐ撮れなくなる。インスタントカメラの方が断然良かったの。
 でもオレはデジタルだからというのがありましてね、たぶん、はいはい、そのうち現像しますからとか言って、そうして放置されたままだったのかもしれない‥‥。

 とある職場の忘年会の様子も写ってました。その頃はカメラなどたいした興味もなかったし、そもそも飲みに徹する自分、なぜだか撮ってたんだねぇ。
 この人がいてこの人がいてこの人は猿スーツでダウンしてる‥‥ってことは、オレ病に伏す直前かもしれない‥‥。飲む気力が無かったのかもしれない‥‥。
 デジタルであろうがフィルムであろうが、写真はその時をしっかり記録するすごいものだなぁと改めて感じました。多少ぼけていても、多少色が飛んでしまっても、すっかり忘れていたその時が蘇ってくるようです。

 14年くらい前からの写真がデジタルでこのコンピュータに残っています。つらつらと約9万枚の写真を見ることができますけど、いざハードディスクがいかれたら‥‥と思うと急に心配になってきます。
 一応 Time Machine にバックアップされているので大丈夫だとは思いますけど。それと基本的に色の劣化もないはず‥‥ですが、このシステムやフォーマットをちゃんとサポートしてってくれないとね。データがあっても見られなかったら意味がないから。

 そんな心配をすると、セピア色になってもいいから紙で残ってた方が安心という気もします。iOS11から写真のファイル形式が変わりましたよね。ちょっと不安。

 ところでお会計は? ひぇ〜〜〜っ!1万円以上かかってしまいました。
 懐かしい写真もあったけど、子どもたちが適当に撮ったわけのわからない写真も少なくない‥‥。でもまぁお金に代えられない思い出もあるわけだし‥‥、ん〜やっぱりプリントすると高くつくから、デジタルでしっかり管理すっぺぇと思うのでした。