プレミアムサタデー

 ひとり一人の趣味・嗜好・事情に応じて、それぞれのプレミアムなひとときを愉しむことを何ら拒むものではないけれど、今さら「プレ金」もねぇべというのが率直な気持ち。さぁ今日はさっさと仕事を切り上げて、みんなでパーッと飲むぞと駅前なんかに繰り出してた「ハナ金」。そういう時代を生きてきたオレ的にはアフター5のそんなノリで充分ではないかと思うのだ。それも含めて「プレ金」なんだろうけどさ。

 サービスを提供してくださる側の方々には申し訳ないけれど、みんながみんな「プレ金」とはいかないのが現実。需要と供給とのバランスは致し方ない。月曜日はある種のサービスがおおむね定休日。水曜日はだいたい休み。木曜日は‥‥。それもまたバランスだから仕方ないけれど、同業者がこぞって休む日などにさえしなければ、もう少し消費行動がバラけてくるんじゃないのかな? そもそも労働時間多すぎなんだけどね。
 難しい話だし、そもそも門外漢なのでこのあたりで。

 職場ではさして話題にもなりませんでしたが、個人的には少し早く帰ろうと思ってたんです。が、こちらのペースだけではすすまないのが現実だからね、そういうわけで片付かずに、むしろ遅めの退勤となってしまいました。
 しかし多少遅れても自分の考えてた「プレ金」は可能だから、せめてうまい酒くらい買って帰ろうかと思ったら酒屋さんがすでにプレ金モードと‥‥。コンビニでビール買って帰る。

 自分の「プレ金」は、年に一度この時期に発行される会誌を読むこと。
 実は木曜日に届いたのです。一番最後、製本直前のギリギリに原稿を出したくせに、夕方にはできたてホヤホヤっつーのを誰よりも早く手にすることができました。たまたま用事があったから届いたというシチュエーションではあるけれど、担当の方々の心憎いばかりのお取り計らいであるとボクは信じて疑わないのです。
 だからすぐにでもページをめくってみたかったのです。でも、3晩続けて徹夜っぽくなってたので、睡魔がそれを許さない。今日ばかりは睡魔の為すがまま身を委ねよう、プレミアムフライデーな明日じっくり楽しもう、そういうことにしていたのです。

 晩ご飯にありついて、さぁオレもいよいよプレ金モード‥‥のはずでした。せめてビールで雰囲気だそうと思って買ってきたプレミアムモルツ。だけど、世の中そう簡単にはいかないもんだねぇ。ちょっと連絡がありそんな気持ちにはなれなくなって、録画してたNHKの「72時間」を観て、人それぞれさまざまな事情ってもんがあるんだってことをボーッと考えたりしながら飲んで終わるのでした。
 その晩のうちにとりあえず一安心はしたんだけど、プレミアムサタデーでじっくりと愉しむことにしました。

 今回の会誌は30冊目。だから「30」にちなんだ話が満載のプレミアム号。
 30年間、30歳、30時間、30号、30分間、30回、30年度、30km、30代、30年後、いろんな30があるものです。
 とりわけ多いのがやっぱり30年前の話でしょうか。ワンレン、ボディコン、携帯電話、正に平野ノラの世界なのら‥‥という世の中でした。スーパードライが発売されて、オレらすっかりビール党になって、アサヒビール園にもずいぶん通って飲み放題・食べ放題したもんです。正に「ハナ金」(花キンだっけ?)が流行語の時代。あれから30年ですかぁ‥‥。
 で、一気に読んでしまいました。それぞれの「30」にまつわる話で愉しませていただいて、いろんなプレモルも愉しませていただいて、すっかりご満悦です。ありがたやありがたや。
 毎号毎号、皆さんの人生というものが垣間見られたりするんですが、自分のことはともかく、今回はみんなどこかプレミアム感があってすばらしいなぁと思いました。そのプレミアム感って、このたった1冊だけでなくてここまでの29冊(の中身)があってのことだから、続ける、積み重ねるってホント大切なんだなぁと実感です。

 「日記は書かないけれど毎年のこれが“年記”になって懐かしく思い出せる」というような一文に、自分はハッとさせられたりしました。
 昨日のことも覚えていないくらいだからその都度何でも書いておかなくちゃと必死にやっている自分ですが、そういう自分もダイアリーよりこの冊子の方が頼りになるかも。それとブログ。
 働き方を考え直さなければという今、自分のダイアリー、悪いことではなくても無駄なことかもしれないと思ったりした次第です。記録してさえおけばいつかきっと役に立つはず、だけど、中身を見直してそのための時間を無くしたら・減らしたら、もっともっとプレミアムで役に立つ時間を確保できるはず、ということも考えないとなぁ。