家の光

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 小さい頃の愛読書というか、毎月楽しみにしていた雑誌は「家の光」だった。農協が発行していた組合員向けの月刊誌。農業情報‥‥ではなくて、生活情報誌的なもんだったように記憶している。もちろん週刊・月刊少年ジャンプの方がずっと楽しみだったんだけど、でも家の光も何となく楽しみだったの。笑
 何が面白かったのか‥‥。例えば巻頭の方に歳時記的な特集記事があって、ニッポンの季節感、地域特性などを写真で見る・知るというのは、田舎の鼻たれ小僧には充分刺激的だったんだな。純粋に。それと変わらないんだけど料理レシピコーナーなんかもあって、毎日精進料理みたいな食生活な我が家だったから、そりゃぁよだれを垂らしながら食い入るように見たっけ。青少年に刺激的ないわゆるハートマーク的コーナーは(たぶん)なくて、極めて健全な情報誌であり、今もそれは発行され続けているのだ。

 世の中は変わって、趣味嗜好もそれぞれだし、いつの間にか実家では購読しなくなった。別に困ることもなかったし、そんなこと気にもせず何十年か過ぎたんだろうと思う。
 諸事情があって、実家ではなくこの我が家で、数年前から「家の光」を購読することになった。何十年ぶりに読んだ家の光は、良くも悪くも相も変わらずの感。とても懐かしく感じるし、へぇこうなったんだと感じるし、だいたい当時の鼻たれ小僧と今のメタボおやじとじゃ感覚ぜんぜん違うからなぁ。そして今も購読してい‥‥むにゃむにゃ‥‥自主規制。なんじゃそりゃ。

 えーそんな家の光に限らず、雑誌は衰退の一途だ。必要ならネット検索。そういう時代だからこれはやむを得まい。専門誌ならまだしも農協とはいえ情報誌だから、そういう情報はネット上にいっぱいあるからちょっと太刀打ちできないかなぁ。
 インターネット黎明期ならあれだけど、家だけじゃなくて世界の光って時代になっちまったんだよね。その手の雑誌はもう風前のトモシビだよなぁ。

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 そんなわけで家の光なのだけれど、本日ようやく我が家に光が届いたのである。ヒカリ、光、フレッツ光だ。
 どこかで踏ん切るつもりではいたのだ。踏ん切らなければと。しかし何年経っても踏ん切れないできたのは紛れもない事実。実家に光が入ったのは5年ほど前の話。両方の実家に相次いで入ったのだが、それよりずっと前からウチもそろそろと思っていたのに‥‥。
 そろそろそろそろそろそろそろそろそろそろそろそろそろそろそろそろ‥‥、そうして10年近く経ったのだから、もう理由もへったくれもないのは自分がよく知ってる。どのキャリアを選ぶか、それだってもう何年もみんなの話を聞いてきて結局大差ないことだって知ってる。チャンスが来たらとにかくヒカリに乗っかってしまえばいいのだと、最近はそう思うようになっていたのだ。渡りに船的な。

 そんな折りも折り、このへん光の工事やるもんスからと、みかか(なつかすぃ)の工事担当者とやらがやってきたのだ。どうやらこれは工事を装って一気にヒカリ契約まで行ってしまう作戦ではないかと思った。その頃、某携帯キャリアさんからも今月いっぱいのキャンペーンでっせと、何度となく連絡があったから、ヒカリ契約獲得合戦がオレんとこで繰り広げられていたっつーことかな。
 スマホとセットのヒカリ、そのまま進めてしまおうかとも思ったのだが、フレッツADSLのそれが何か悪いわけでもないし、変更してもいずれまた変更する話が待ってるような気がするし、そもそも現在適用中のいろんなセット割引に思わぬ弊害が発生しかねないんじゃね?と考えると、突然の割り込みではあっても本家のヒカリ‥‥まぁそれもありかなという気持ちも実はあったりして、結局目の前にすーっと流れてきたその船に乗ることにしたのであーる。

 暖かくなったら、仕事が大きく一段落したら、この何年間ずっとそう思ってた「だいたい6月頃」がちょっと早まっただけ、踏ん切ってしまえばそれくらいのことでしかない。
 自分で決める時期を一方的に示されるのは少々ムッとするものだが、仕方ねぇよなぁ、だってあっちがそう言うんだもん‥‥と他人のせいにできるから、家内的にも都合がよい。仕方ないのだ、そういうことなんだから。

 蜘蛛の巣のごとく家中に張り巡らされているネットワークケーブル(笑)。それちょっと整理してからとも思ったんだけど、ルートを確認しさえすれば、交換したキカイをつなぎさえすれば光速化しちゃうんだもん、もうどんどんすすめてもらったよ。
 事前に受け取っていたIDやPWをルータに設定し直すと‥‥みんなそれほど速いとは思わないとか言うけれど、オレには速いぞ、予想以上に充分速いぞ、ヒカリやっぱすげぇ。

 ヒカリになったら受けられるサービスの方に移行しようと思っていた。大容量なのに安いのだ。利用しない手はない。移行にあたっては2週間ほどのお試し期間を経なければならない。その間にじっくりと使って納得した上で‥‥という趣旨である。
 趣旨ではあるけれど、ヒカリに移行したら当たり前じゃん的なものだから、2週間も粘ってみたところでどうなるわけではないから、1週間ほどでもう切り替えの申し込みをした。今のサービスに申し込んで悪戦苦闘したミレニアムなあの頃を懐かしく思い出したりするのだが、ここでハタと気づいたのだ。
 これって別にヒカリじゃなくても使えなくなくなくない?みたいな‥‥。どっちやねん。
 どっちでもいいんだけど、いやホント、なんで高いカネを払って一昔前のシステムにすがりついていたのかと、マジ信じられなかった。何でヒカリになるのに10年もかかってしまったのか、それだって信じられない。
 ただ、家の光は結局のところ何だか楽しみなんだよね。