ひょっこりはん

 暑い日が続きます。雨が降りません。昨日も今日もうだるような暑さ‥‥。それでもウォーキングするんですが、木漏れ日にほっとしながらも、どこか遠近感を失ってふらつきそうになる石段‥‥。

 濃い緑に包まれる森の中は涼しくていいです。毎年同じところで同じように写真を撮るのですが、ここで見上げるこの葉っぱの様子が大好きです。深い緑ですが、夏の日が差してとても鮮やか。
 雨が降らなくても森の中はしっとりしていて、苔が緑色のじゅうたんのように延びています。できるだけそのふかふかを味わいながら歩きます。音を立てずに歩けるので、野鳥なども警戒しなくなり、距離も近くなるような気がします。小さくない鳥が急にワサーッと飛んでいったりするとけっこうビビります。

 そうして進んでいくと、すぐ横で何かが動いた感じ‥‥。自分も動きを最小限にしながら左側にカメラを構えて様子を伺っていると、いましたいました。

 はい、ひょっこりはん。

 あ、目が合ったかなぁと思った瞬間また木の影に隠れたので、見失わないように目を離さずわずか数歩だけそっと寄ってみます。
 相手も少しだけ上に登って反対側から‥‥

 はい、ひょっこりはん。

 何というか膠着状態みたくなっていましたが、これ以上どうかなるものではないので、またさらに数歩近寄っていくと、まぁだいたいはそれじゃぁまたという感じで終わるんですね。

 あとは逃げるだけ。一目散に上へ上へと駆け上がっていきました。
 望遠レンズに交換している暇もなく、やっとやっとトリミングしてこの程度。
 ここもそうなんですが、それっぽい場所にはクルミの殻がけっこう落ちています。時間がないと思うとゆっくりもしていられないのですが、余裕がある日はレンズをしっかり交換して備えながら、息をひそめてあたりの様子を伺うなど、のんびりしたいものです。ヤブ蚊対策必須。

 一方で川の方はと言いますと、この数週間カワセミの姿は見つけるのですが、なかなか撮れずにいます。昨日もメインのポイントあたりを行ったり来たりしているのは見るのですが、警戒しているのかなかなか留まってくれません。
 例年と違うのは、どちらかというと対岸ではなくて手前側なんです。近くても撮りようがない。自分の足もと付近から急に飛び立っていく感じ‥‥。
 そしてできれば水がサラサラ流れてほしい。ちょっと淀んでいる感じがどうもなぁ‥‥。