冬至の候

 冬至の朝、撥水コーティングしておいたせいか、フロントガラスに不思議な花が咲いていました。なんかちょっと嬉しかった。きれいにしておくべきだなと思います。

 多少のズレはあるにせよ、日照時間が最も短い時季。あと10日、1週間ほどで今年も終わってしまいます。クリスマスや新年を迎える喜びでつい忘れてしまいますが、同時に仲冬から晩冬へ、最も寒さの厳しい季節がやってくるんですよね。
 暑いよりはいいと思ってんだけど、でもやっぱり憂鬱‥‥。

 若い頃は気にもしませんでしたが、旬のもの、季節のものは楽しみたいと思うようになりました。が、甘いだけになってしまいそうで、相変わらず冬至カボチャは苦手‥‥。すっかり忘れてしまっていて、ゆず湯もできず‥‥。
 でも温かい鍋をゆずぽんで、これで充分‥‥くらいの楽しみ方です、我が家。

 さて、それなりに寒いけれど、穏やかなクリスマスイブの朝でした。いつものようにスマホと連動させながら体組成計に乗ります。つながると 0.0kgになり年齢が表示され 計測できるようになるのですが、その年齢が今朝はひとつ増えていて、あぁ誕生日だったと気づきました。
 冬の林はすっかり葉が落ちて、木々の枝ぶりがいちいち「いとをかし」です。だいす木のまるで毛細血管のように大きく広がる様子を見て、深く息をついて、またひとつ歳を重ねることができたなぁ、生きていられたなぁと、一人思いにふけるのであります。

 時代は変わったなぁと思います。
 小さい頃、こんな田舎の空に飛行機雲なんかあまり見なかった。今はこんなに次々と飛んでるんだもんなぁ。
 地酒が全国レベルになったのもすごい。日曜日の今日も仕込み作業をしていたようでした。日本酒そのものが昔よりずっとおいしくなった。昔って、小さい頃飲んでたわけじゃないけど。
 ものごとも、ものの考え方も、つまりは物も人も何もかもが大きく様変わりしました。自分が生まれて半世紀以上、そりゃそうだよなぁ。

 何かにつけて豊かになったなぁとも思います。温かい鍋を囲む食卓、親を呼んでのクリスマス、車、スマホ、手帳やノート、衣類だって‥‥。
 我が家の豊かさなどたかが知れているとは思うし、世の中には大層な格差があることも事実だけれど、そういう中で平成の時代が間もなく終わろうとしているんですよね。代も替わっていく。

 定年まではまだもう少しありますが、とうに昭和じゃないんだし平成だってそうなんだし、次の人たちに譲っていかなければと最近とても強く思います。
 ユズリハは、新しい葉が揃うと古い葉が落ちることからそういう名前がついたらしいですね。我々古い葉っぱがリタイヤする前に、新しい葉が生き生きと活躍できるようにしていかなければならないのだと思うわけです。
 新しい年が来る前にいろんな準備をする。そうしなきゃ‥‥。