さようならプリントゴッコ

110921

 この仕事に就いたばかりの頃だったと思います。年賀状のシーズンになると、職場の皆さん、黒が2本だ赤が1本だと何か注文するんです、出入りの業者さんに。そうそうマスターも忘れずに‥‥なんてね。マスターって何? 誰?
 プリントゴッコだと言うのです。これを使ったら印刷屋さんになんか頼まなくたってカラーの年賀状をどんどん印刷できるんだって、けっこう熱く語ってくれたっけなぁ。
 若かったからそれほどたくさん年賀状を出すことはなかった自分でしたが、その翌年プリントゴッコ・デビューしますたー。もう30年くらい前のこと。

 そのマスターもほどなくハイメッシュマスターってより細かい穴になるヤツが登場し、インクのバリエーションも増え、そりゃぁ凝ったもんですよ。当初はインクブロックというガードを細く貼り付けながら1版でカラー印刷してましたが、2版、3版とまぁいろいろ考えましたっけ。
 初期型のオレンジ色のモデルをずっと使っていましたが、理想科学がスポンサーになってた「事務だより」コンテストに応募したらみごと入賞しまして(出品したのはゴッコ作品じゃなくてあくまでも普通に職員に配っていた事務だより)、その副賞でいただいたのが専用ケースに入ったこのPG-10セット。うれしかったなぁ。

 年賀状を見る限り、1993年・94年あたりからこのセットも登場する機会がめっきり減ってしまったようです。自分はカラーインクジェットプリンタよりもモノクロレーザプリンタの精細さが良かったんです。まぁとにかく世の中は次第にコンピュータにシフトしていったんですね。使わなくなってから17・18年くらい経っちゃったんだ‥‥。

 そのプリントゴッコがいよいよこの12月で事業の一切を終えるとのこと。っていうか3年も前に本体の販売は終わってたんですねぇ。
 当初はインクもベーシックな6色くらいしかなかったから、色を混ぜてポリ袋の角をちょっと切って、ケーキのデコレーションみたく絞ってやったっけなぁ。多版印刷するために速く乾かそうと本に挟んだんだけど、電話帳でも使えばよかったのに広辞苑だったか辞書に挟んだらインクが写っちゃって失敗したっけなぁ‥‥。その後カード立てみたいなのが登場したんです。無駄に電球をフラッシュさせたこともありました。インクチューブを踏んづけてひどい目にも遭いました。でもあの手作り感がとても懐かしいです‥‥。

 たいていのことはデジタル化できるようになった今、自分はPCやスマートフォンのアプリよりもノートや手帳などに向かいつつあります。それってアナログならではの愉しさを感じるからなんだろうなぁと思うのですが、専用の消耗品で展開せざるを得ないプリントゴッコのような製品はやっぱり厳しいよなぁ。残念だけど‥‥。

 まぁとにかく、ありがとうプリントゴッコ。さようならプリントゴッコ‥‥。

“さようならプリントゴッコ” への4件の返信

  1. もうかなり長いこと使用していなかった我が家のプリントゴッコ『ハイメッシュ』この春に押し入れ整理した際に処分してしまいましたが改めて寂しい気持ちです。
    結構本格的に自宅で楽しみながら年賀状づくり。時期になれば家族の分まで請け負ってプリントしていました。
    営業職に従事していた頃には年賀状以外にも年に数回は何かしら使っていて仕事でも活用していました。
    それがいつからかパソコンを使うようになり今はそれすらできず業者に依頼していますが。
    hiromaruさん同様にフラッシュやインクにまつわる失敗も(笑)。
    こうして振り返ってみると家族や友人、同僚などみんなで話題にしたり楽しんできたツールだった様に思います。
    私からも「ありがとうプリントゴッコ」

  2. 発売当初に目ざとくゲットした我が同級生。小さい身体に見合わぬ大きさの其れを抱え教室に入って来るなり『イイだろう』そこで、空かさずオラが「おまえサンよ。其の態度が嫌われるモトなんだから気をつけねば駄目だぞ」と速攻で注意できたのも男女差なく6才から竹馬の友を続けて重ね来た年輪がモノを言っておりました。カレコレちょうど30年前当時の話

  3. そうだなぁ、プリントゴッコって家族とか友人・知人と
    みんなで楽しんできたモノだったよねぇ。
    多くても20枚、30枚だった年賀状も、あっという間に
    100枚を超えたのも、プリントゴッコのせい、おかげだった
    かもしれない。
    そういう意味では、郵便局はプリントゴッコに深い感謝の
    意を込めてこのラストイヤーに対応すべきだな。(^^;
    プリントゴッコばんざーい!\(^o^)/

  4. プリントゴッコを学校に持ってくるという時点で、
    まぁその少年の立ち位置がわかるような気がしたり
    しないわけでもないというか、まぁその頃ってね、
    お互いがお互いにビシバシだったよねぇ。
    しかしまさか図工の時間に年賀状用の版画を作るのに
    版木と彫刻刀代わりにプリントゴッコを持ってきた
    わけではねぇんだべなぁ。

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