さようなら Jobs.

111006

 自分が使ってきたコンピュータの中で最も好きなのは SE/30 です。一体型のコンパクトな筐体ゆえに制約も少なくなかったんだけど、9インチの小さなモノクロ画面でも、自分にはものすごく広く深い世界がそこにあったんです。ムキになってその世界へ入り込んでいきました。
 紆余曲折の末、Jobs が Apple に戻って iMac が登場しました。カクカクシカジカ、でかいベージュの筐体こそ高性能コンピュータというイメージだった当時、トランスルーセントのコロッとしたそれは、SE/30 を手に入れたばかりの頃のものすごくワクワクした気持ちを思い出させてくれたんです。これは Apple の時代が来ると確信しました‥‥。

 歴代の Mac で最も使いやすいと感じているのは OS も含めて現在の iMac です。約20年間の時を経て、SE/30 が iMac に取って替わったのですが、Jobs が戻ってこなかったらこの iMac はなかったんでしょうね。Apple そのものがなくなっていたかも知れない。そう考えるとホントにすごいねぇ。

 キヤノンの店で NeXT の画面を食い入るように見ていた時期がありました。今思えば彼が Apple から離れている頃ですね。やがて OS X が登場して、当時としてはリアルなアイコンが並んでいた NeXT を思い出し、なるほどそういうことだったのかと驚くやら感心するやら‥‥。
 iMac、iBook、iPod、iPhone、iPad、それぞれがどんどん機能を高めながら、おもちゃみたいだったモノは洗練された独特のデザインへと変遷し、機能とデザインの両方から広い世代に渡ってユーザを増やしてきました。彼のこだわりでこそ成し得たのかも知れません。ものすごい人だなぁと思います。
 Apple の時代になりました。その真っ直中、彼はまた去っていっちゃった‥‥。

 あの時もそうでしたね。それでも Apple らしさは貫かれてきたんです。さらに大きな影響を与えた彼のことですから、彼が亡くなってもその影響力はまだまだ衰えないでしょう。なお一層 Appe は Apple らしくあると思います。自分はそう思っています。そうあってほしいと願っています。

 それにしても、まさかこんなに早くとは思ってもみませんでした。
 Jobs、安らかに‥‥。

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