初雪のような気持ち

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 昨日午後からの雪は心配したほど積もらなくてホッとしました。わずか数センチではありますが、しっとりとしたやわらかい雪はあたり一面を真っ白に覆い尽くし、初雪のような何か新鮮でやさしい景色にしてくれたような気がしました。きれいな青空もそれをアシストしてくれたんでしょうけどね。
 少しずつ溶け始めた雪が枝から枝へと連鎖して落ちてきます。場所によってはまた降り出したかと思うほど細かくサラサラなんですが、そう言えば小さい頃に木をドンと蹴ってわらわらと落ちてくる雪にひゃー!とか言って遊んだのを思い出しました。竹やぶなんかだとすごい量でしたよねぇ。

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 散策路に入っていくと見えるいつもの風景ですが、今日は龍穏院の屋根がおもしろい模様になっていました。水墨画のように見えなくもない。
 そういえばしばらく龍穏院に行ってないなぁと思い、ぐるっとあちこち回ってから寄ってみることにしました。

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 足を踏み入れていないところでも、昨日までは雪の表面もガリガリとした荒々しさが感じられる風景だったのですが、今日はまるで違います。ふわっとした正に綿帽子をかぶっていたり、やわらかな凹凸が微妙な影を作っていたりしていて、気持ちを落ち着かせてくれます。わざわざ長靴履いてきてよかったなぁと思いました。

 途中、雪はきをしている友人に会いました。週末で赴任先から帰省したとのこと。忙しいか、この前のあの企画うらやましかったんだ、次はいつ帰る、また飲もう、‥‥とりとめのない話ではあるんですが、同級生って何だかホッとするよね。
 街の中を平気で長靴で歩いてるむさっ苦しいヤツだと映るのは間違いないんですが、歳も歳だし、まぁお互いそういうのもあまり気にしなくなってきて‥‥、いやそこんとこ気にしないからおやじなのかぁ‥‥。

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 さて龍穏院。三春藩主秋田家の菩提寺ということでやっぱり貫禄があるなぁと感じます。肝心のお寺じゃなくて申し訳ありませんが、桜の木と六地蔵がいい雰囲気でした。
 ちなみに、秋田家の菩提寺は二つあります。近くにある高乾院というお寺がそうなんですが、ダイナミックな龍穏院に対してこちらはどこか質素ながら相応の品格も感じられます。秋田家墓所の佇まいなんかも。お寺って何だか落ち着くね。
 ※参考:高乾院と龍穏院

 昨日に引き続いて川沿いも歩きました。桜並木も真っ白だなぁと眺めていたら、突然すぐ近くの枝にカワセミが飛び上がってきました。この枝に止まるつもりだなと思い咄嗟に身構えたのですが、その瞬間に自分の背後から車がブォーーーッ‥‥で行ってしまいました。
 仕方ない‥‥そんなもんです。が、こんな近くだったのに、いい角度で色の具合もかなりよかったのに、今年初カワセミのチャンスだったのに‥‥。でも仕方ない‥‥初雪のように淡く消えてしまうもの。でも初雪じゃないんだよねぇ。どうもここだけは気持ちが収まらないのでありました。