厚焼きたまご

120514

 寿司と言えば我が家はかっぱ寿司だ。オレとしてはホントはラーメンがいいんだけど、財務大臣の鶴の一声だからやむを得ねぇ‥‥。
 オレはだいたい12皿だ。まずマグロとホタテで様子を見る。続いてハマチとイワシを注文。その間にビントロなんかを取って折り返す。青魚が好きなのだ。イワシとアジを注文。イカで少し休む。だいたいこのへんでガリを皿に取って寿司ガリ寿司ガリお茶のパターンですすむ。またイワシを注文。新幹線が到着するまでサーモンなんかで間を持たせ、いよいよ大詰めを迎えるのだ。

 最後にもうひとつイワシをと思うのだが、またかよと思われたくないので、定番のマグロなんかで握りは終わることにする。しかしこれが最後ではない。いよいよ12皿目、オレ的トリを飾る厚焼きたまごが廻ってくるのをひたすら待つのである。
 わざわざ注文はしない。最大でも一回り、この微妙な間が何となく好きであり嫌いであり、とにかくこれで最後だなぁって毎回しみじみ思ってしまうのだ。

 かっぱ寿司の厚焼きたまごがすっげうまい‥‥というわけではなくて、いやおいしくなければ食べませんが、とにかく最後は厚焼きたまごと決めているのだ。
 おおむね4等分の大きさを想定してまず左側の4分の1を箸で切って少しだけ醤油をつけて食べる。そしてガリ。日曜日のお昼も間もなくおあいそだなぁと思ったりするこの最後の一皿が何とも言えない。半分食べ終える。あと二口だ。今になってみるとイワシをあとひとつ注文したいような気がしないでもないが、オレはもう厚焼きたまごを半分食ってしまっているのだなぁ‥‥。さっきのしみじみ感と相まって、切なくも満足な日曜の昼下がりなのだ。
 なんて思ってる間に最後の4分の1をつまんで醤油をちょちょっと付けたりしている。甘辛さを味わいながらここまでの全体を流し込むかのように粉っぽいお茶をひとくちふくんでお会計ボタンを押すのである。終わった‥‥。

 かっぱ寿司の厚焼きたまごの食感はだいたい覚えている。歯ごたえ、常温、いつも同じだからだ。
 ところが、先日食べたそれはこれまでとは全然違っていたのだ。いつものぎゅっと締まった感じではなくて逆にふんわり感がある。常温というよりはやや冷たささえ感じていたものだが、今回は温かくて作りたてであるというのがはっきりわかった。味はさほど変わらないような気はしたが、若干甘めだったかも。
 はっきり言ってうまかったのだ。これまでになく。いつもの厚焼きたまごでいつものように締めくくるつもりだったから、すげ得したような気になったの。作り方変わったの?
 こうなると途中で1回厚焼きたまご行ってもいいなぁ。13皿‥‥微妙な数字だなぁ。イワシもうひとつ追加で14皿か。15皿はさすがにきついしなぁ‥‥。