東京観光・駒形どぜう

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 駅から駅へと電車は利用しますが、駅の中も駅から目的地までも、目的地の大きな建造物の中もやっぱり歩け歩け。天望シャトルこそ利用しますが、スカイツリーだって基本は歩け歩け。都会の人の方がはるかに足腰鍛えられていると思います。だからみんなスリムでいらっしゃる。
 ソラマチでお買い物の女性陣とは別行動の男性陣、もう疲れ果ててひと休みです。せっかくの休みだもん、ここはいっちょ飲みますか? とも思ったのですが、次の目的地はお昼を食べる店ですからピザを分け合う程度で我慢。その上で浅草の「駒形どぜう」へ移動しました。

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 創業以来 212年、今も変わらぬ「どぜうなべ」専門店です。この店構えたるや、老舗の風格が漂っていますねぇ。スカイツリーの後だけになおさら時代のギャップを感じますが、新しい街と旧い街とが平気で混在してどちらもオーラを放てるってすごいなぁ。
 地方はもうやっとやっとの感。両方はなかなかできなくて、結局「新しいまちづくり」などと称して旧いものは姿を消していきます。三春はそんな中で城下町の名残を多少なりとも残していく事業もすすめられていると思っていますが、形だけじゃなくて心とか生活様式とかもぜひとも大切にしていってほしいから、ぜひとも若い人たちがこの街の歴史や文化に誇りを持てるようなまちづくり・人づくりを大切にしてほしいものです。まぁ正直なところ今のままでは商売は全て成り立たなくなりかねない‥‥。

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 さてさて、肝心のどぜう鍋ですね。直径15cmほどの浅い鉄鍋の乗った火鉢が運ばれてきます。鍋にはもうじっくり煮込まれたどぜうが並んでおりまして、これにたっっっぷりのネギをかけて、いや盛って、ぐつぐつ煮立った頃合いで器にとって食べます。
 ドジョウは臭みがイヤだとか、硬い骨があるとかって言われますが、そういうのがほとんど感じられません。素直に美味い。箸でどぜうを取るとき真ん中を直角に挟んだりするとやわらかすぎて半分に切れてしまうほど。胴体に沿って箸の接地面を多くしながらすくい上げる感じ。それくらいやわらか。笑
 薬味は七味と山椒とがありますが、とりわけ山椒がいいっすねぇ。まぁ結局のところネギや山椒が臭みをさらに消してくれるんでしょう。ネギもたっぷり食べるんですが、それでも鍋に残ります。割下を注いでぐつぐつと煮込んだそのネギだけでごはん何杯もいけるくらい。
 そうしてひとしきりどぜうもネギも楽しんだら、新しい鍋に交換していただいてまた次のどぜう鍋にネギをこんもり盛って煮込む、そんな感じでいただいたのでございます。

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 他にも、くじらの竜田あげ、とりつくね焼、鯉のあらいなどもいただきました。いずれも何だか懐かしい味わい。美味かったなぁ。それから「カストリ焼酎」もありました。中味はもちろん「カストリ」ではなくて「粕取り」なんでしょうけれど。そう言えば、デンキブランで有名な神谷バーもすぐ近くにあったなぁ。

 青森出身だという店員さんがいろいろ教えてくださいました。こんなところで同じ東北だとはまた奇遇だねぇと思うともうそれだけで親しみを感じ頼りにしたくなるもの。そんな感覚もまた昭和な人間だからなんでしょうかね。考えてみれば東京には地方からたくさんの人が集まってるんだから東北人なんてぜんぜん珍しくないもんね。
 それにしても。ホントにもう「のれんをくぐれば、江戸の味わい」でしたわ。昭和の生まれ・生粋の三春っ子なので、江戸の味って正直わかんないですけど何だかそう思う。どぜう、くぢら、コイ、カストリ、デンキブラン、そしてこの店構え、昭和のかほりだねぇ‥‥。