せいいっぱい

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 本来であれば自分は今頃どこかの施設で缶詰状態だったのだけれど、諸般の事情によりこうして普通に過ごしております。良い悪いの話ではありませんが、一職員としてそりゃぁ当然のことですからね。はい、これはこっちにおいといてと‥‥。
 ずいぶん長いこと続いていた猛暑が、今日はようやく落ち着きました。昨夜から断続的に降っていた雨のおかげ?ですね。農家の方々にとっても恵みの雨だったことでしょう。
 雨が降れば朝夕の空気もピンとする時季なんですよね。水分は霧になって白く立ち込めるようになります。暑さにばかり気を取られていましたが、季節はいつの間にか三十九候の「蒙霧升降(ふかき きり まとう)」になっていたんだなぁ。

 木槿はもうだいぶ前から咲いていますが、そろそろ終わりを迎えるのでしょうか。朝開いて夕方にはしぼんでしまう。しぼんだ状態で花が落ちてしまうのは見ればわかることですが、それがたった一日だけの花だということは知らなかったです‥‥。
 花の命は短くて苦しきことのみ多かりき‥‥なんて短詩がありましたな。

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 短命といえばこの時季はセミですね。今年はアブラゼミの暑苦しいジイジイをあまり聞かなかったような気がします。ミンミンゼミは最近よく聞いたような。でもだいぶ前からヒグラシのカナカナは続いていたような。
 そういえば三十八候は「寒蝉鳴(ひぐらし なく)」でした。カナカナという鳴き声を聞くと一日が終わるなぁと感じるし、実質的な夏の終わりのようでもあるし、いずれにしても何だか切ないものを感じます。

 長かろうが短かろうが、せいいっぱいきれいに咲いて、せいいっぱいにぎやかに鳴いて、命は果てるんだな。
 人だって、短い人生の何と切ないことかと思わずにはいられないけれど、それが苦しいことの多い人生だったとは限らないですからね。結果はどうであれ、せいいっぱい生きることこそが人の幸せだと思うし、それを陰に陽に見守り助けてくれる愛があればこそと思います。
 まだまだこれからだったよなぁって自分も思うけれど、たくさんの愛に支えられながら送ってきた人生は、誰よりも幸せだったんじゃないのかなぁ‥‥。

 そんなことを自分が言ってみたところでどうなるものでもないんですが、じゃぁ自分はせいいっぱい生きているかというと‥‥ん〜自信ないな。自信ないけどどこまで行けるか頑張ってみるっきゃないんでしょうね。
 深い霧もやがて晴れるものだから、ちょっとずつ長くやることも大切だし。それだってせいいっぱいのひとつなんだきっと。