熟成20年モノだけど

　アルコールの話ばっかで申し訳ありません。理不尽な日々のストレス（ないない）なんかに屈しないためにも、この暑さを乗り切るためにも、もうビール無しでは考えられない生活です。完全にビール依存症ですな。笑
　15年くらい前でしょうか、Macを使い始める前後だからかれこれ20年くらい前か、某ネットで懇意になった方と地ビールを生産することにしたんです。あ、地ビールじゃなくて自ビールだったな。彼のアドバイスを受けつつビール液を作り発酵させ、微妙な加減の砂糖を加えて王冠を打栓し、そうして二次発酵の工程を経てようやくできあがった俺ビール、互いに飲み比べましたっけ‥‥。

　結果？ えぇ〜とぉ、結果はどうだったっけなぁ。いや、正直に・簡単に言ってしまえば失敗ですよ‥‥。そんなうまいモンができたわけじゃない。何せ目分量のサジ加減の砂糖ですから。でも逆にそれなりに飲めるヤツもあったりしてさ、とにかくあの頃はワイワイと楽しかったなぁ。何だかなつかすぃなぁ‥‥。
　アルコール度数とか考えて、何だかんだ２ケース分くらい醸造しましたから、処分‥‥じゃなくて飲み切るのに難儀しまして、でもどうにか決着はつけた次第です。２ケースって、その瓶を確保するのもたいへんだったんですが、中には当時限定発売された復刻版ラベルの瓶もあったもんだから、よし、これは自ビールの中の自ビールだと、自分の中では特別な、今で言うならプレミアム自ビールを３本確保しておいたんですよ。
　ところがずいぶん経過してから、そう言えばここにそのビールを置いたんだっけ‥‥なんて気づくありさま。今さら飲んでみてもなぁと思って、オブジェ的にね、そこにそのまま置いておくことにしたんです。

　以来また数年経過、すでにオブジェではなくいつの間にか隅っこに追いやられ、それももう邪魔になるだけ。でありまして、このたびついに処分を命ぜられ、栓を抜いて中身を捨てました。確かにビールっぽい香りはしますが、栓を抜くとき、シュポッ！なんて音もありませんでした‥‥。泡の「あ」の字もビールの「ビ」の字もないくらいの液体を台所でドボドボ流すのって、何だかわびしかったっす。
　ところが、２本目がシュポッ！なんですよ。あれあれぇって思いまして、ちょっとグラスに注いでみようかなとやってみたら、最初の写真のように、まずまずなビールが登場しちゃいました。
　飲んでみようかとも思いましたけど、さすがに20年ですからねぇ。20年経って開栓したそれをカメラに収めただけで満足してしまいました。
　でまぁこれも水といっしょにドボドボと流しまして、最後の１本も栓を抜きました。よしよしこれもシュポッ！だなと、それじゃグラスに注いでみようかなと‥‥。

　眺めているうちにずいぶん消えてしまいましたが、意外や意外、けっこうクリーミーな見事な泡なんですよ。こりゃビール以外の何ものでもねぇなぁと、ますますその気になったんですが、ん〜やっぱり20年も放っておいたモノだと思うとねぇ。元来ビビリだし、やっぱり飲むことはできませんでした‥‥。香りは‥‥ビールっちゃビール‥‥かな。
　ウヰスキーやワインなら12年モノ、20年モノなんて言いますが、ビールって「鮮度が命」なんて言いますよね。今思えば、飲まなくても口に含むくらいはやってみても良かったのかもなぁと後悔してるんですが、20年も置いたビールって飲めるものなんでしょうか。
　考えれば考えるほど、この写真を見れば見るほど、全く味見をしないままドボドボしちゃうなんて、この先こんな機会はまずあり得ないだけに、あぁなんてもったいないことをしてしまったのだと、ただただ残念でならないのですわ‥‥。＿|￣|〇