唯吾知足

110108h

 今年は「3K」ならぬ「3け」でいこうと思っています。
 ひとつは「軽快」。卯年にちなんで、ぴょんぴょんと軽やかに。とにかくフットワークを軽くしなければならないですね。身のこなしもさることながら、身体そのものを軽くしないと近い将来どうにもならなくなっちゃいそうで‥‥。
 ふたつめは「謙虚」。自分の意見、主義・主張を持つことは大切ですが、同じように相手のそれもまずは控えめに慎ましく素直に受け入れてみなければ‥‥と、実は昨年何度となく思ったんです。一歩引いてみることで、また違った見方ができるかも‥‥。
 そしてみっつめは「継続」。箱根駅伝などを観て改めて思ったことでありますが、やっぱりやり遂げなくちゃなぁと強く感じます。まずは自分がね。同時に、大切なことはしっかりと次代に引き継いでいく必要があります。

 もう50、でもまだ50、まだまだ一線を退くわけにはいかないのです。現役でなければならないのですが、襷をつなぐみたいに若い人たちに譲っていかなければならないことっていっぱいあります。
 別に欲張っているわけではないのですが、ここで手を引いたら中途半端じゃね?なんて考えちゃうんですね。ここまではやり遂げなくちゃと考えることは大切だけど、そこまで自分がやる必要があるのかどうか、充分やったんじゃないかと、然るべき評価をすることで、自分自身の成就感って言うのかなぁ、気持ちとしても一定の区切りをつけなくちゃならないんじゃないかなぁって思うんです。
 そうすることで、次のすすめ方に変化が起きます。ヘンなしがらみのない身軽さで新しい展開が期待できます。だらだらとやってるのは続けていることなんかじゃなく惰性でしかない。一人なんかじゃできない。引き継ぐことで続いていくんですよね。

 欲望には際限がありません。現状はどうか‥‥事足りているはずなんですよね。充分である自分に気付かないと、いつまでたっても自分を認められないもんなぁ。するとどうしても他人になんか譲れない。今渡すわけにはいかない。だからなかなか引き継がれないんですね。エゴでしかない。それはシアワセじゃない。
 一歩下がれば、あれもこれもいっぱい見えてくる。肩の荷が下りてすぅ〜っと軽く楽になるだろう。身も心も軽やかになればまた別の道も開けてくるだろうに‥‥。

 年末から正月にかけて、そんなことを考えていました。いずれにしても「唯吾知足」なんだなぁと思っています。吾、唯、足、知。ワレタダタルヲシル‥‥。

 五
矢口隹
 止

 唯吾知足のつくばいは京都・龍安寺が有名ですが、福聚寺にもありました。ウォーキング中に見つけて改めてその思いを強くし、ウダウダと考えながら歩いてきたのでした。