蟄虫培戸

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 先週の雨、ちょっと、いやずいぶん予定が狂ってしまいたいへんだったんですが、ざっくりと見ればずいぶんいい天気が続いています。秋晴れいいですな。
 コスモスのシーズン。青空にピンクや赤紫、白の花が映えますが、木陰で逆光で見るさっぱりしたコスモスが意外に好きです。哀愁が漂う感じ。秋っぽい。でも見てて飽きない。

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 季節は第四十七候「蟄虫培戸(むし かくれて とを ふさぐ)」。仲秋も終わりが近づいてきました。チョウなどはさなぎになって、カマキリなどは卵を産んで、次の命へと続いていくんですね。
 仲春・啓蟄の候に第七候「蟄虫啓戸(すごもりむし とを ひらく)」というのがあります。だいたい半年間、虫は静かにまた暖かになるのを待っているんですね。こういう生態系が狂わないようにしていかないといけないんだなぁ。
 逆に言うとヒトは活動しすぎなんだろうな。そうして無駄に神経を使い体力を使い食糧を使い水を使い電気を使い資源を使い果たし、生態系を崩し自然を地球を壊してしまう。そういう予想がはっきりわかるのに、何も変わっていかない。自分もそうなんだけど‥‥。

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 秋と春、半年後の季節というのがおもしろいですね。虫が戸を閉めたり開いたりもそうですが、4月初めにはツバメがやってきて(玄鳥至)9月半ばに去っていく(玄鳥去)。その前後に雷が鳴り始まったり(雷乃発声)収まったり(雷乃収声)。春は桜(桜始開)、秋は菊(菊花開)。春に雁が北へ帰り(鴻雁北)秋に戻ってくる(鴻雁来)。
 そういう季節感こそニッポンらしさだと思うんですが、これも温暖化が進むと変に狂ったり無くなったりしかねない。ボクの楽しみが失われるどころの話ではないよなぁ。

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 何度も登場するトンボですが、秋の光のせいなのかこの時季になると羽根が弱々しく見えてきます。何となく白っぽく見えるのはヒトの白髪と同じようなもんかなぁ。
 よく見るとピンとしていないから光をスパッと反射しなくてそう見えるのかも知れない。毎晩夜露を浴びてしまえばそりゃぁ羽根も弱るわなぁ‥‥。歩いているとガードレール伝いに飛び跳ねるように着いてきます。飛び跳ねると言ってもやっとやっとの様子なんですが、その羽音もパサパサと元気がない。毎日いっしょうけんめい飛んでいたのになぁ。
 あんまりセカセカしないで質素にのんびり生きていけたらいいのに‥‥。まもなく9月も終わりますが、あと3カ月だと思うとまた必死感出てきてしまうのだなぁ。