はじめてのガラスペン

　どっかで誰かもつぶやいてたような気がしますが、最近ブツヨクの秋なんです。自分の場合ファッション系ではなく、でかいもの・高額なものでもなくて、ちょっとしたものをちょろっと買ってしまうのがこの秋のポチ・トレンド。先日のドリッパーもそうですし蛍光ペンもそうですし。蛍光ペンはステッドラーの前に三菱鉛筆のプロマークビュー買ってます。その前にゼブラのマイルドライナー不足分買って全15色揃えてます。あとこれからずんずんと到着予定。メール便っぽいものばかり‥‥。(^^;
　実はもっと前にポチっていたのが 佐瀬工業所のガラスペン。はっきり言ってもう伝統工芸品ですから、値段を見ただけであきらめそれっきりだったのですが、ビギナーならリーズナブルな竹軸セットでもいいんじゃね？って情報をキャッチして即注文したのでした。
　が、だいたい２カ月待ちくらいの状態。まぁ急ぐものでもないし‥‥とのんびり構えていたら、意外にも１カ月くらいで届いてしまったのです。ありがとうございました。
　さて本題です。

　数日前に届いたこのガラスペンをようやく使ってみることにしました。休みの日にゆっくりと試してみたかったの。
　竹軸セットは使い切り（修理やペン先交換不可）で、細字・中字・太字の３本セット。インクはどうしようかと思ったんですが、ついでなのでブルーブラックを１本いっしょに注文しました。WATERMANのボトルインクです。

　まずは細字から。ペン先のわずか三分の一ほどをインク瓶に浸して持ち上げるだけですが、インクは毛細管現象で吸い上がっていくんですね。それが思いのほか長持ちします。
　万年筆のような弾力性・しなやかさは皆無です。ちゃかちゃかに削った硬めの鉛筆で、先が折れないように、でもしっかり書く感じ。普段は 3B のしかも太い芯でガシャガシャ書きなぐるので、感覚的に正反対だからかなり気を遣います。そのへん自分で調整して慣れないと危険かも‥‥。ただ、そういうカッチリした硬さって嫌いじゃないから、書いていて気持ちはいいです。
　が、これはインクのせいでしょうか、モレスキンノートブックではどんどん滲んでしまい思いっきり裏写りが‥‥。ちょっと合わないかも知れない。それから紙が引っかかる感じもけっこうある。細字だからでしょうか。

　では中字に替えてみます。ん〜想像以上の太さ。細字の繊細さがすっかりなくなってしまい丸ペンのような気さえしますが、先が折れてしまうのでは‥‥と心配する必要も全くなくなります。安心の硬さという感じ。これくらいの安心感で細字が使えたらいいのになぁと思います。
　でもインクがある程度減ってくると、丸みのある線にややシャープ感が出てくるような気もします。つけペンはそういう表情を楽しむのもいいもので。

　さて次は太字を。もはや 5mm方眼のフィールドで云々するレベルではなくなってしまいますね。インクもどんどんなくなっていくのが目に見えてわかります。最初の20字くらいは大量のインクを消費してしまいますが、そこからがこの太さの面白さかも知れない。紙に当たっているペン先は思ったよりも細い感覚があって、線幅は（結果として）太いけれど、むやみに大きい字にならないような気も‥‥。字としてはつぶれますけどね。
　で、最終的なモレスキンノートブックの裏写りはこんな具合。上から細字・中字・太字ですが、書き出しのインクがどうしてもねぇ‥‥。

　ちょっと放っておいた細字に戻ってみますが、こちらはまだまだ最初のインクが残っています。文字をていねいに書くという行為が楽しくなる書き心地です。これで紙の引っかかりを気にしないで使えるともう少しスラスラいけると思うのですが、引っかかりを感じるからこそ筆圧や速度の加減をして書くことができるのかも知れません。
　書きやすさという点では中字ですが、自分としてはこの細字こそ「ガラスペン」のイメージどおりの味わいを楽しめるような気がします。

　ということで、休みの日くらいは好きな色のインク瓶にペン先を落として、あれこれ書いてみたいものだと思いますね。そのインクなんですが、やっぱりお気に入りを 5〜6本は持っていたいもの。
　パイロットの iroshizuku か。でもナガサワ文具センターオリジナル「Kobe INK 物語」も捨てがたいんだよなぁ。これはセーラーの「ジェントル」がベースかな。