漸進

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 人は点のことしかできないんだと、暮れのウォーキングの時に改めて感じました。先に歩いた人がうっすらと積もった雪に足跡をつけて点線ができていたんです。でも、この点線を何度も繰り返し歩く。たくさんの人が歩く。そうすると点線ではなくいずれ実線になります。道ができます。
 人はそうして点と点とをつなぎ、点の行動を線の行動にして、その線の幅をどんどん広げて大きな面の行動というものを作ってきたんでしょうね。とてもとても長い長い道のりだったと思います。その経験が知識や知恵を膨らませて「暮らし」を豊かにしてきたんだと思うと、何だかすごいよね。

 暮らしが豊かになりやがて車が登場しました。これは一気に高速な線の行動を実現しました。線の行動が広範に及ぶのに時間がかからなくなりました。今や面の広がりまであっという間の時代になってきたわけです。
 とは言っても、やはり基本は点なんですね。点の行動をやりきらないことには始まらない。そうして点から点へと伝播していく仕組みも変わらない。情報通信「網」たるインターネットなんかもそうです。ものすごく高速にはなりましたがね。

 さてさて、昨年は「福興」というキーワードを年の初めにお話ししました。奇しくも町のだるま市で披露された希望の一文字も「興」でしたし、最終的には県知事が1年を振り返り 2012年は「興」だったと言ってたらしいです。すごいすごい。
 現実はどうか‥‥。すすまない、すすまないと言われはしますが、福島は少なからず「興」きていると思っています。「復」も大切ですが、こうなってしまった以上は「福」島らしく「興」していくことだと思うんです。

 ということで、調子に乗って今年のキーワードをまた考えてみました。
 実に単純なことですが「興」したことを一層すすめていくことですよね。ただ拙速であってはなりません。長くかかることなんですから急いでも仕方がない。広くしっかりと染み渡るように「漸」める(すすめる)こと、じゃないかなぁ。
 自分もそうです。急いだってしゃぁない。ゆっくり・じっくりやろうと思うんです。ゆっくりというとどうしてもダラダラになってしまいがちですが、そこは具体的な目標が必要ですね。無理はしない。ただ八分目でかまわないから目標は立てる。そうしてじっくり取り組んでいくこと。「漸進」が自分のキーワードかな。「リサイジング」&「漸進」です。

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 去年も書いたんですが、結局のところ「まち興し」「ひと興し」なんですよね。そのための取り組みにしっかりテコ入れをしていくこと。それは急いでも仕方ないし、絶やしてもいけない。地道に粛々と継続的にじわじわやっていかなくちゃなりません。
 町の中心部、河川工事が続いています。下流からどんどん進んできて、この中町あたりはずいぶんできてきました。いよいよ役場のあたりも始まるようですね。最終的にどこまでどうなるのかわかっていないのですが、清水から一本松まで、のんびり散策できるようになったりカワセミが飛来するようになったりしたらいいなぁ。そんな人の集まる場所になってほしい。そういう「まち興し」を「じっくりすすめる」ようにしてほしい。

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 新しい中学校づくりもすすんでいます。地域に学校がなくなるのは淋しいものですが、あまりにも小さいとねぇ。ある程度の規模でさまざまな学習活動が保障されることも大切です。町内中学校のリサイジングということになるんだなぁ。
 教育はまさに「ひと興し」です。これからこの町を背負って立つ子どもたちのためにこそ予算をどんどん確保していかなければなりません。もちろん地域の理解・協力も必須です。町ぐるみで学校を、子どもたちを育てていかなければなりませんよね。

 まぁとにかく、急がず広く深く染み入るようにじっくりじわじわやっていくこと。たゆまなくちょっとずつちょっとずつでいいから前に進めていくことを心がけたいものですわ。
 あぁ調子に乗ってあれこれ書いてしまった‥‥。