震災6日目・質素倹約

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 もうどうでもいいかと思って‥‥という職員。そうそうオレもねぇ‥‥。いや実は自分もそうなのだ。あきらめたとか観念したとか、そういうのではなくて、良い意味で何か開き直ることができたような感覚が強くなってきた。
 原発の状況はさらに悪化していることだろう。見えない恐怖に怯えながら、食い入るようにテレビに見入っていた昨日までとは違い、すっきりして仕事をしているような気もするのだ。
 情報は確かに不足気味なんだけど、とにかくシンプルであってほしいの。精選された正しい情報さえ的確に入れば。改めてそう思うと、テレビなんか見なくたってさほど困らない。「原発さらに悪化した? あぁそぉ、思ったとおりだな。」実際そんな感じ。

 朝はごはんと味噌汁、それにまぁ漬け物くらい。あるいはただのTKGだったりふりかけだったり。そしてお昼は小さめのおにぎりを2つ持っていくくらい。インスタント味噌汁付き。何となく物足りないと思っていたんだけど、これで充分なんだなぁ。効果はまださほど現れてないんだけど、ウエストまわりがきつくない。微妙な快適感あり。
 こういう時じゃないと買ってこないと思うんだけど、干し芋とがんづき(蒸しパン)を職員が買ってきたのでみんなでいただいた。これらを少し食べただけで充分お昼になる。しかもおいしい。オレら何か間違ってたんだなぁ‥‥みんなでうなずいた。

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 3年前、共同調理場から給食が搬送されるようになったため、給食室は使わないで閉鎖していた。体育館に最も近い場所でもあるから、避難者がここを利用して自分たちで煮炊きをすることとなった。今夜のメニューは「中華丼!」だそうだ。普通のエプロンじゃなくてナントカシェフみたくネクタイしなくちゃねぇ‥‥という冗談に、大きな笑顔の輪が広がっていた。
 こう言っては失礼だが、芋煮会とか合宿とかのようなノリがホント楽しそうに映った。こうした共同作業によって・同じ釜の飯を食って強い絆が生まれるもの。地元意識、仲間意識があるからこそ、なお深いつながりができるような気がする。この人たちはもう新しいまちづくりに向けた第一歩を踏み出しているんだと強く感じた。
 車座になってどんぶり飯を割り箸でかき込む。三つ星の豪華な食事に負けないくらいのおいしさなんだろうな。朝昼晩、特別な普通の食生活が始まった。

 ところで、iPad2 の発売が延期になったとのこと。自分はもうそれどころではない。こうなると iPad3 まで我慢するしかないかもしれない。が、いち早く使ってみたい・使える状態にあるという人はぜひその高性能ぶりを堪能してほしいなぁって思う。
 それをことさら大騒ぎしてほしくはないが、そのヨロコビの声をささやかに聞かせてほしいなぁっては思う。中騒ぎくらいだったらいいかな。
 それぞれに生活があるのだから、それぞれの生活でいいと思うのだ。ただ、モノをムダに使うとか、状況をきちんと把握しないままとか、それらはこうした状況故に配慮してほしいし、そもそも普通の生活とは違うレイヤーの話なんじゃないかな。簡単に言えば「思いやりレイヤー」か。
 korterさんがこんなことを言ってる。それでいいんじゃね?って思うのだ。

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 とにかくガソリンがないのだ。一昨日は息子と2人・1台の車で出勤。昨日からは家族4人で出勤してる。出発がちょっと早い、いやちょっと遅い、言い分はそれぞれあるんだけど、途中一人ずつ降ろしながら行くのである。普通に仕事してる分には大きな支障があるわけではなく、いかに無駄をしていたか‥‥と思わずにはいられない。
 1台の車で親子4人揃って通勤するのと、4台の車で一人ずつ通勤するのと、どっちが贅沢なのか‥‥。今になってみれば、車なんか1台で間に合わせるに越したことはないんだよなぁ。質素と言えるかどうかはともかく、それによって倹約できるなんて正にエコ。
 自分もエントリの中で話題にしたから少し反省してるんだけど、三春は安定ヨウ素剤を飲むくらい放射能に汚染されたと誤解されているようだ。ん〜ちょっとタイミングを誤ったかも知れないなぁ。(^^;
 そんなこともあってタンクローリー車がやってこない‥‥なんて話になったのかなぁ。実際には普通なんですよ。普通だから他の市町村と同じように避難者を受け入れてるんですよ。そこは再度ご理解いただきたい。
 そのガソリン、今日はバイパス沿いのいくつかのGSに入ったらしく、夕方になってもご覧のような長蛇の列。今日はこれで枯渇しちゃったかも知れないけど‥‥。さぁ次はいつになることやら‥‥。
 みんな西を目指している。自分もその方向に用事があったんだけど、交差点で割り込めないので反対方向にすすんでマチの中に入った。お昼頃まではいつになく閑散としたバイパスだったが、その後はまずあり得ない延々数キロメートルの大渋滞。果たしてどこまでたどり着けるのだろうか‥‥。がんばろう、がんばろう!

“震災6日目・質素倹約” への2件の返信

  1. もう少し、もう少しです。
    肉体的にも精神的にも(精神面での問題はこれからの方が深刻だと思いますが)我慢の連続を強いられている人たちには酷な言葉かも仕入れませんが、みんな見守っています。
    今回の震災は失った物も多すぎますが、得られる物も必ずあるはずです。普通と思っていた生活がどんなに幸せなものなのか、便利な事が当たり前になっていた事への反省・・・個々のやるべき事、出きる事、いろいろと考えさせられました。身体に気をつけて一日も早く普通の生活に近づく事を祈ります。

  2. ほんとに大切なことは何かということを改めて考えさせられています。
    シンプルであるべきということも痛感しています。
    まだまだ不安はあるんですが、よくよく考えてみるとそれなりに満たされた生活を送っているような気もします。ある意味普通に戻っているのかも知れない‥‥。

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