こつこつこつこつ、夢の足音

こつこつこつこつ、夢の足音

輝かしい新年をお迎えのことと拝察いたします。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 今さら話題にしなくても‥‥と思うのですが、話の展開上、例えとして、正月でもありますし、まず箱根駅伝のことから始めます。

 この正月も例年どおり箱根駅伝をテレビで観戦していました。力走する選手の表情や、襷渡し・区間ごとのゴールの様子など、感動と切なさとでじ〜んとしながら、箱ティシュ必須で見入るのが常です。
 もうこの歳ですから「かつては」なんてレベルではないのですが、ついつい知ったふりをして「こりゃ追いつかれるぞ」「ひょっとすると‥‥」なんて“にわか解説者”になって家人に嫌がられてしまいます。
 結果、毎年さまざまな感動に巡り会い、いくつもの記録が生まれ、たくさんの伝説が残っていくわけですが、今年は往路優勝、復路優勝、総合優勝、どれも別の大学が勝ち取ったという珍しい大会となりました。

 スタート直後のアクシデントは、このレースの波乱を予感させるものだったようにも思います。いきなり転倒した選手の様子から、とても残り約20kmを走り切れそうにない、棄権かとさえ思ったのですが、襷の力というのはそんなに弱いものじゃないと改めて感じました。選手生命という観点から、昨今こうした展開については賛否ありますが、ここではあまり触れないことにします。

 さて、順位が大きく変動する往路ですが、結局は優勝候補の横綱相撲かと思いきや、福島県出身の選手が驚異的な区間新記録で力走・逆転し、東洋が往路二連覇を果たしました。この選手をはじめ、本大会でもたくさんの福島県出身選手が大活躍しましたね。
 優勝候補の青学は5分以上の大差で6位。駅伝に、ましてや箱根に、絶対という言葉はないものですが、さすがに上位でこれだけの差となると、東洋で決まりか、青学相当厳しいんじゃないのかな、というのが“にわか解説者”の予想だったのです。

 大会二日目・復路。
 逃げる東洋に対して、青学は怒濤の区間賞で迫ってきます。東洋は若干精彩を欠いたというか、後半ジリジリと順位を落とし、駒不足を露呈した形になってしまいました。それでも復路5位・総合3位を死守したのは立派です。
 青学はトップのゴールテープを切ることこそできませんでしたが、総合2位・復路優勝を果たし、優勝候補としての面目を保ちました。

 さて、本題はここからです。
 往路か復路か一方だけでも、2位でも3位でも、とにかく10位以内、いや出場することにこそ‥‥、箱根にはさまざまな思いがありますが、最終的には大観衆で沸くゴールに堂々トップで飛び込む総合優勝こそが最高の目標であり成績だと思います。
 今年はそれを東海が果たしました。1973年の初出場以来46度目の挑戦、平成最後の大会において悲願の総合初優勝を大会新記録で飾ったのです。もう“にわか解説者”の面目丸つぶれ‥‥。
 目を見張るような展開だったのは、全10区間で唯一区間賞を獲得した8区と言っていいくらい、と言ったらあまりにも失礼ですが、決してそうではなく、全区間一桁台の上位、そう、実に安定したレース展開だったということに尽きると思います。

 駅伝に限らずスポーツには、思わぬアクシデント、ブレーキなどは付きものですから、そこはもちろんチーム全体でカバーしていくもの。そうすれば、仮に総合優勝できなくても、充分な成績は残せるものです。
 そして、決して目立たなくても、淡々とそれぞれの責任を確実に果たしてさえいけば、結果は付いてくるということでもあります。淡々と、こつこつと、そういうことです。

 いよいよ平成から新しい時代へと替わっていきます。秋には県大会発表が待っています。「夢をかたちに」しようと取り組んできた数十年間の取り組みの成果を‥‥と言うとちょっと大げさに感じますね。
 でも、こつこつ、こつこつと足音を響かせるように、日々の実践を積み重ねてこなかったら、現在の活動はないわけですから、それらがいかに大きなことだったかということです。そのひとつひとつを次へ次へとつないできたチームプレイなのです。
 特別なことをがむしゃらに‥‥ではなく、これまでどおり「ちょっとずつ猛進」の意識で、ぜひ成功させましょう。

 会長 橋本広治

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