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異動事務のポイント

人事異動事務処理のポイント

 転出・退職等に伴う事務処理のポイントなどをまとめてあります。

【最終更新・2023-R05.03.21】

1 事務処理の流れ

(1)異動決定
①辞令をコピー
②通達簿へ記載

(2)異動で処理すべき事務を把握(チェックシートの活用)
①具体的な処理方法は、教育事務所・福利課等からの通知を優先する。
②校長・教頭・養護教諭との処理分担を確認する。
③異動者本人へ次の参考様式の用紙等を必要に応じて配付する。
 ↓
[参考様式]
 ・転出なさる方へ
 ・事務引継書
 ・着任届
 ・宣誓書
 ・履歴書
 ・履歴事項異動届(願)

(3)「転任教職員の関係書類の送付について」作成
①学校長名、職印、送付書類の○印漏れ等を再確認する。
②内容を再確認し袋詰めする。
③転出関係の書類は異動者本人へ渡し、着任時に確実に届けることを周知する。

(4)転入者の異動関係書類等を受領・確認(チェックシートの活用)
①転出時の事務処理に準じて、同様にすすめる。
②書類の不備・不足は速やかに前所属に確認し、必要な対応を取る。
③新採用職員については、教育事務所及び福利課からの指示のとおり、期限等厳守で処理する。

2 事務処理上の注意事項(チェックシートの詳細)

◎人事異動書類一覧
番号 様式名
…………………………………………
J01 人事事務処理ポイント
J02 転出なさる方へ
J03 教職員調台紙
J04 事務引継書・目録
J05 宣誓書
J06 着任届
J07 履歴事項異動届
J08 人事異動送付文書
J09 転出・退職者用チェックシート
J10 採用・転入者用チェックシート
J11 転入者お知らせ
J12 参考資料(日付)
…………………………………………

(1)履歴書

 参考:ガジなび「任免」-「履歴書」
    ガジなび「任免」-「異動事務(市町村立学校間)」
 関連:通達(知)簿

①転出者
ア. 辞令内容を通達簿へ記載する(写しを添付)。
イ. 学校と地教委の履歴書原本に3月31日までの発令事項を整理する。
ウ. 控えとしてA4判で写しを2部取り、写しの末尾に「以下余白」と記載する。
エ. 控えの表紙の照合欄に3月31日付(3月31日が土日の場合は、3月最終の平日)で校長照合印を押印したものを、1部は学校で保存し、1部は地教委へ提出する。
オ. 学校と地教委の履歴書原本に4月1日以降の発令事項を記載し転出先に送付する。
 ※ 同一地教委内異動時の控えの作成は学校保存分のみで、地教委提出分については不要。

②退職者【正規職員】
ア. 辞令内容を通達簿へ記載する(写しを添付)。
イ. 学校と地教委の履歴書原本に3月31日までの発令事項を整理する。
ウ. 学校と地教委の原本に3月31日付で校長照合印を押印し、学校保管分以外は末尾に「以下余白」を記載して、学校分については学校で保存し、地教委については提出する。県・事務所分については、履歴書整理の際に整理する。
 ※学校保存分については、再任用希望があった場合に写しを4部作成(作成日で照合押印)し、交付するため「以下余白」は記載しない。
エ. 退職者へ写しを渡す。

③退職者【講師】
ア. 本人持参又は作成の履歴書原本(学校・事務所分)を、最終まで整理する。
イ. 控えとしてA4判で写しを1部取り、写しの末尾に「以下余白」と記載する。
 ※地教委分は、提出していた写しを使用する。
ウ. 写しの表紙の照合欄に任用期間の末日付(任用日が土日でも、任用最終日)で校長照合印を押印したものを、1部は学校で保存し、1部は地教委へ提出する。
 
④再任用(退職後、再任用に採用される場合)
ア. ②退職者【正規職員】の履歴書の整理ア~イと同じように処理する。
イ. ウの校長照合印の押印前に、写しを4部(県・事務所・地教委・学校)作成する。
ウ. 原本及び写しに3月31日付で校長照合印を押印し、原本は定年退職同様に提出し、写しは本人へ交付する。
エ. 再任用として勤務する間は、この写しを原本とし、随時追記して使用する。
オ. 再任用者の退職の場合は、履歴書は全部本人へ返却する(写しを取り学校控えとする)。

●管内校長会資料から(履歴書の保存について)
・年度別に整理して保存のこと
・整理一覧表を作成して保存のこと(兼務職員・非常勤講師は入れない)
 ※履歴書整理一覧表参考例・省略

(2)出勤簿
 参考:「出勤簿表示方法と注意事項」
 関連:学校日誌、年次有給休暇差引簿
    旅行命令書、職員勤務状況調

①3月31日(または任用期間末日)まで忘れずに押印し、漏れ誤り等確認する。
②学校日誌、年次有給休暇差引簿、旅行命令書等との照合する。現任校では写しを保管する。
③田村地区事務研「出勤簿表示方法と注意事項」のとおり摘要欄の記載を確認する。
※摘要欄の記載参考例
 a)異動事項の記載例
  ア. 現任校 令和4年4月1日付○○学校へ転出(退職)・・・写しに記入する。
  イ. 新任校 令和4年4月1日付○○学校より転入(採用、再任用等)、○月○日着任
  ウ. 再任用職員の場合は、任用年月日及び勤務形態(常時勤務又は短時間勤務の別)を記入する。
   また、短時間勤務の場合は、1週間当たりの勤務時間数、1日当たりの平均勤務時間数(不斉一型短時間勤務職員の場合のみ)を併せて記入する。
 b)期限付職員の年休繰り越し日数管理
  記載事項は、年休を付与した日・採用月数に応じた年休の付与日数・繰り越した日数・合計日数・取得日数・退職時における残日数を記入する。
 c)リフレッシュ休暇の対象職員
  ア. 公務等の都合又は休職等の事由により休暇を付与することができなかった場合
   「公務等の都合によりリフレッシュ休暇付与期間を  年  月  日 ~  年  月  日までとする」等と記入する。
  イ. 休暇付与期間中に、休暇を未取得である職員が異動等になった場合
   「リフレッシュ休暇付与期間  年  月  日 ~  年  月  日、○月○日現在未取得」等と記入する。

(3)前年分出勤簿の写し
①前年分出勤簿の写し(A4判)に、3月最終の平日付(講師は任用期間末日付)で校長の奥書証明を付して送付する。
②「2(2)出勤簿」に準じて、誤り等のないことを確認する。
③新任校では、昇給内申や期末勤勉手当に係る休暇等調に使用する。
④期限付職員については、前年分出勤簿と今年分出勤簿の写しに校長の奥書証明をして送付する。

(4)年次有給休暇管理簿
①当年分の年次休暇が計算されているか確認する。
②本人の確認印または署名がなされているか確認する。
③期限付職員については、前年度年次有給休暇届の写しを送付する。

(5)年次有給休暇届
①3月31日分まで記載してあるか確認する。現任校では写しを保管する。
②届出等の漏れ及び印漏れのチェックをし、出勤簿等とも忘れずに照合する。

(6)休暇(欠勤)願
①3月31日分まで記載してあるか確認する。現任校では写しを保管する。
②届出等の漏れ及び印漏れのチェックをし、出勤簿等とも忘れずに照合する。

(7)給与の口座振込(変更)申出書
①所属用控を送付する。

(8)扶養親族認定台帳
①認定事項の異動等についての記載漏れがないように確認し、扶養親族認定台帳の原本を送付する。
 合わせて扶養親族届・添付書類の原本を新任校に送付する。
②現任校では、扶養親族認定台帳の写しと扶養親族届・添付書類の写しを保管する。
③新任校にて受給内容確認のため収入状況調査の写しも送付する。
④新任校では「扶養親族認定台帳」や当該職員に対し異動後の支給内容及び支給要件の有無を発議書により確認する。

(9)住居手当決定簿
①新任校へ住居届・添付書類の原本を送付し、決定簿・添付書類の写しを保管する。
 ただし、手当の支給が終わっている書類については送付しない。
②手当額改定等について確認する(給与管理マスター)。
 新任校では支給要件を発議書により確認する。
③借家等の住居手当受給者で住居を変更する場合は、最終月の家賃等の領収書の写しが必要。退居証明書でも可。
④なお、給与管理マスターデータは継続されるので、変更がある場合には新任校において、
ア. 新しい契約書とともに住居届を提出する。
イ. 住居手当受給終了届に必要書類を添付して提出する。通勤手当データは自動的に停止される。
ウ. 「福島県借上げ住宅の特例措置」を受けた場合は、住居手当は支給されないので終了届を提出する。
※東日本大震災・台風などに係る借上げ住宅の詳細については、福島県ホームページ-災害対策課を確認する。

(10)単身赴任手当決定台帳
①新任校へ単身赴任届・添付書類の原本を送付し、決定簿・添付書類の写しを保管する。
 ただし、手当の支給が終わっている書類については送付しない。
②新任校では、異動前の支給内容を確認し、異動後の支給要件の変更の有無を発議書により確認する。
 引き続き受給用件を具備する場合で、職員の住居、配偶者等の住居に変更が無い場合には、届の写しを証明書類とすることができる。

(11)世帯等の区分届出書
①新任校へ本年度分の届出書の写しを送付する(変更届出書も含む)。現任校では原本を保管する。

(12)へき地等学校異動届学校保管の写し
①引き続きへき地等の学校へ異動の場合、住民票抄本を準備し新任校へ提出する。

(13)職員健康診断票
①養護教諭から受領して送付する。
②任期付職員・臨時的任用職員・会計年度任用職員(非常勤)・再任用者には原本を渡す。現任校では写しを保管する。
③退職者には写しを渡し、現任校では原本を保管する。

(14)組合員・被扶養者現況表
①新任校に原本を送付する。

(15)児童手当・特例給付受給者台帳
①最新の台帳について内容を確認して送付する。
②新任校へ原本を送付し、現任校では写しを保管する。

(16)財形貯蓄関係書類
①別途福利課指示文書を参考に処理する。学校控の諸届用紙を送付する。
②住所変更等の際の手続きについて指示する。
 個人番号を含む書類を郵送する場合は、書留郵便等を利用する。

(17)年末調整用各種申告書の写し
①前年分の「基礎控除申告書兼配偶者控除申告書兼所得金額調整控除申告書」(個人番号をマスキングする)と「保険料控除申告書」と「住宅借入金等特別控除申告書」の各写しを送付し、現任校では原本を保管する。

●その他参考資料
(18)給与管理マスター写し‥‥最新のマスターの写しを送付する。
(19)旅費口座振込(変更)申出書‥‥所属用控を送付する。原本、写し、いずれでも可。
(20)職員氏名ゴム印等‥‥別袋にするなどして確実に送付する。

●親展同封
(21)本年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(個人番号表示あり)
 原則、本人から新任校に提出する。現任校で写しは保管しない。親展文書に同封も可。
(22)人事評価シートの写し‥‥親展同封。
(23)所有免許状確認票‥‥親展同封。
(24)教職員調の写し‥‥親展同封。台紙は必要に応じて利用する(書式変更は各校対応)。

3 着任時手続書類

(1)着任届‥‥1部
 転出先の市町村教育委員会教育長へ新所属経由で提出する。
 辞令の写しを添付する(ガジなび「服務」-「着任届」)。
(2)辞令
 新所属に持参しコピーを提出する。
(3)宣誓書‥‥1部
 地教委の異動がない場合は不要(各市町村学校管理規則による)。
(4)履歴事項異動届(願)‥‥3部(学校1部、地教委1部、事務所1部)
 現住所変更の場合などに提出する。宛名は新任校長(各市町村学校管理規則による)。
(5)組合員証記載事項変更申告書
 組合員・被扶養者現況表で被扶養者を確認する。
 新任校で本人及び被扶養者の住所変更の場合に提出する。
 ※別居している被扶養者の住所も確認する。

これらについて、必要な用紙を配付し、転出先で速やかに処理することなどを指示する。

4 旅費に関する事項

(1)旧所属執行機関コード‥‥県中教育事務所[70210](給与関係コード表)
  旧所属執行機関内訳コード‥‥所属コードの下3桁
(2)新住所の地域名及び地域名コード‥‥旅行者名登録時の参考にするため、住居移転がない場合もこの欄に記入する。
 着任届では、住居の移転がない場合「旧住所」に記入することとなっているので注意する。
(3)旧住所の地域名及び地域名コード‥‥住居移転のある場合(予定も含む)のみ、旧住居の地域名等を記入する。

※赴任旅費/帰住旅費‥‥「赴任旅費/帰住旅費の手引き」参照。住居移転の確認は住民票で行う。

5 その他関連事務等

(1)通達簿‥‥3月31日(年度末異動)まで記載する。押印漏れのチェックをする。
(2)事務引継書‥‥用紙は「転出なさる方へ」といっしょに配付する(引継者の確認)。
(3)県庁支店特定口座/指定口座‥‥3月31日までに未支給の手当・旅費・給付金・退職金などについては、指定口座に振込まれるので口座を解約しないように伝える。
(4)住所変更手続き‥‥異動のための住民票の異動は、人事異動発表日以降にすることを周知する。
(5)押印または確認‥‥異動者の帳簿類の押印漏れ等を確認する。
(6)書類送付文書/封筒‥‥封をする前に、送付する書類等の内容を複数人で確認する。
(7)組合員(会員)異動報告書ほか‥‥退職者・他支部への異動等、新採用・他支部からの異動等、福利課通知を参照する。
(8)第3号被保険者関係届‥‥該当があれば手続きする。
(9)3月実績分手当関係
 「3月実績にかかる電算処理について(通知)」と各種手当命令簿及び整理簿の写を4月給与支給日前までに新所属に送付する。
 手当の実績報告については、通常どおり現任校において行う。
 退職者等、翌月給与が支給されない場合は別途指示による。
(10)学校宛の個人郵便物‥‥本人に発送先(出版社等)へ配送先変更の連絡をするよう促す。

ご注意

 本資料は、事務処理をする上での目安として作成しました。活用にあたっては、関係通知文や手引き等を必ず確認するようお願いします。

 [研究委員会]