初孫

 その後の連絡がなく心配はつのるばかり。もう思い切って2時間ほど休みを取って帰る。今すぐ病院へ行こうとしたが、早く出かけても‥‥と言うのでしばし待機。するとほどなく婿様から生まれたとのメール。
 キタ━━(゚∀゚)━━ッ!!!

 前日、予定日を1週間過ぎてもその様子がないので通院。週末まで様子を見ながら変わらなかったら来週には入院・帝王切開と‥‥。本人よりも我々の方が微妙にナーバスになる。
 翌朝自分はいつもどおり早起きしてノート整理。何気に戌の干支鈴に神頼み。と、約30分後「陣痛来た」とのLINE。干支鈴すげー。あとはぜひとも安産で‥‥出勤前に再度のお願い。
 陣痛が始まってから半日あまり、手術も覚悟したけど自然分娩で、母子共に元気そうだったし、ようやくホッとした。
 今日はもう遅いし(いやそうでもないけど)、作るのめんどうだからと(それ)、刺身など買って帰って飲むことに。予定日を5日も過ぎてしまった月曜日、でも今週はいよいよかと、生まれたら飲む用の酒をしっかり冷やしておいた。その「初孫」をようやく開ける。ささやかな祝盃。あぁじいさんばあさんになった‥‥。

 とりあえず明日は休みだし、がっつり飲むぞ。いい金曜日、最高のプレフラになったじゃん。ねぇちゃんでかしたぞ!と思う。
 それにしても、プレミアム大吉ウィークって、たなくじすげーなー。
 たなくじだけでなくて、この正月は珍しく三が日のうちに初詣もしてきた。ウォーキングのついでにちょろっとだけど。
 そして戌の干支鈴、ものすごい御利益。大事にしなくちゃなぁ。
 そういえば、朝のノート整理のとき。水を飲ませろ的に猫のげんが起きてくるのは珍しくないのだが、今朝は水じゃなくて何かそわそわウロウロ行ったり来たり。からの陣痛メール。まさか予感してたとか‥‥。生まれたとメールがあったときも、気づくと近くに鎮座してて、だから言ったのにという面持ちですましていた。最近はほとんど部屋に引きこもりなのに‥‥。うちに来たときからずっと、一番かわいがってもらってたんだもんなぁ。

 そういうこと考えると、もう何でもかんでもつながってしまって、つないで考えてしまって、本日の暦までスクショ撮ってみたりする。何だかありがたい。
 例年なら3月になってからあわてて飾る雛人形も、今年は2週間も早かった。どっちみち小さい簡易版の方だけだけど、でもそれがいい兆しになればと思うのだ。
 まぁこればかりはなぁ‥‥と思うけど、実家から何度となく電話がかかってきたり、この数日は近隣の奥さま方に「まだですか?」と訊かれたり、みんな心配してくださっていてホントにありがたい。

 季節は立春から雨水に。霞始靆(かすみ はじめて たなびく)が近づいているように、朝は霧に包まれて真っ白。ここ数日寒かったけど、ほどなく霧が晴れ青空が広がって春のような‥‥そんな日だったぞ。

 正直言って「孫」という言葉の響きとかもう年寄り臭くてイヤだった。イヤというのではなくて、ん〜、祖父としての自覚がないって感じか。そりゃそうだけど。
 33年前、自分の娘のときはどうだっただろう‥‥。正直あまり覚えていないのだが、年度末ギリギリの時期だから、とにかく仕事のことでいっぱいいっぱいだったろうなぁ‥‥とか。
 あ、思い出した。その日は日曜日で、友人の結婚披露宴にお呼ばれしてたんだった。幸い義母が付き添ってくれていたので、お任せしていそいそと祝宴に向かって、そうしてめでたい席にもう一つ花を添えたつもりになって飲んで騒いで。だからなおさら、この日の前後は必死で仕事を片付けていたはず‥‥。
 というわけで、自分のことばっかりと白い目で見られていたのだった。あぁヘンなこと思い出しちゃった、しょぼーん‥‥。

 さてさて、病院に到着してほどなく、出産からちょうど1時間。ガラス越しに初孫とご対面〜。シワシワの赤いしかめっ面‥‥サルサルしてる赤ん坊をイメージしていたんだけど、意外にもするっとした感じできょとんとしてて、もう何日も経ったような表情にすっかり癒やされてしまった。そうだよなぁ、もう10日も経ってるんだもんなぁ。孫はかわいいよなぁ‥‥なるほどなぁ。
 これでじいさんを自覚したかと言うと‥‥まだまだだけど、写真を何枚も撮り、そんなに動かないのに動画撮ってみたり、そういうのちょっと苦手だなぁと思ってたのに平気でやってる。
 面会時間が終わりカーテンを閉められがっかり。おおここに面会時間貼ってあるんだとようやく気づき、もうそういうのも逃さない。じいちゃん明日も来るぞ!