寒蟬鳴

 ちょっと前まで、今年はセミの抜け殻が少ないような気がしていたんですが、いやいやそんなことはない、今やすっかりセミの抜け殻だらけという感じ。セミの最盛期です。
 やや肌寒ささえ感じるような天気。立秋の中候は「寒蟬鳴(ひぐらし なく)」。

 ヒグラシの鳴き声は、日の出前や日が暮れる頃に聞こえてきて、どこかもの淋しいものですね。夏の終わりを感じたりもしますが、実際には一夏ずっと聞こえています。
 薄暗く気温も低いときこそヒグラシの本領発揮というところだろうに、この最盛期に昨日からほとんど聞こえてきません。セミ全般聞こえてきません。さすがに寒すぎたり雨の日だったりはそうなんでしょうかね。

 ふと足もとを見ると、アブラゼミが葛の葉っぱにしがみつくように身を隠すようにしてじっとしていました。ちょっと弱っているのかなと思いましたが、すこぶる元気そうではあります。
 普通なら木の幹にへばり付いてるもんですが、そう思って見てみると、ナラやサクラの葉っぱの裏側に留まっているセミを何匹か見つけました。鳴かないときはそういうもんなのかな。

 草むらからガサガサと独特の音がします。飛び立てないセミが必死で羽根をばたつかせているときの音。かわいそうだなと思って少し広いところに出してやると、元気そうに飛び立っていきましたが、木に留まったと思ったらすぐまた飛んでいって、別の木の葉っぱに留まっていました。今日の天気はそういうもんなのかな。

 まぁとにかく静かな森でした。こちらにも葉っぱに留まってるアブラゼミ‥‥と思いきや、こちらはすでに力尽きたよう‥‥。いっしょうけんめい鳴いたんだろうかねぇ。成虫になってからが短いセミの一生。一日の終わりに聞こえてくるからヒグラシの鳴き声はもの淋しいのかなぁ。

 「ひぐらしなかず」かと思っていたら、午後から暦どおりに鳴き声が聞こえるようになりました。曇り空とは言え少し明るくなってきたし、気温もやや上がってきました。やっぱりそうでしたか。

 さてもう一方のセミ、カワセミは、すっかりこの枝が気に入ったようで、最近はかなりの確率で待っていてくれます。桜の一部が折れてしまい何だかじゃまだと思っていたのですが、彼らにとっては格好の止まり木になったみたい。

 昨日も最初はいなかったんですが、通り過ぎてほどなく、ツピーツピーって独特の鳴きで呼び戻してくれました。
 おかげさまでちょっと大きめに撮ることができます。明るいところなので何かと好都合です。
 これまでは、写真左下・川上の方から、写真右上・川下の方まで、ポイント間を一気に飛ぶことが多かったのですが、ちょうどその中間点に位置していて、とりわけこうして川下の方を見るのには最適な(ポジションだとオレは感じる)んですよね。(^^;
 そうしてまた下のポイント目指して飛んでいきます。